長編恋の解き方 | ナノ




01




季節は初夏。
高2になって千鶴たちが入学し、やっと慣れてきた頃。

私には可愛い弟(妹)分もいて、尚且つかっこいい彼氏もいて、これこそ本物のリア充と言えよう生活がある。


「なまえは昔から馬鹿だよね」

『な…っ!薫はなんてことを…っ』

「俺は事実を言っただけ」


泣きそうだ。
薫の毒舌には未だに慣れないデス。


『千鶴ぅー…ってあれ?』


一緒に登校してるはずの千鶴がいない。
どこだ、とキョロキョロ辺りを見回せば、


「お、沖田さんやめてください!」


の声が。


『総司!また千鶴をいじめてるの?』

「これが朝の日課だから仕方ないよね」

『仕方なくねーよ!』

「妹から離れろ。馬鹿沖田」


薫と総司のケンカが始まってしまった。
これも朝の日課だろ。

と、その時。運が良いのか悪いのか。
平助が向こうから走ってきた。


「千鶴!」

「あ、平助君っおはよう!」


あぁ。幸せそうだ。
ピンクのオーラが漂ってる。

このときの。


『…っ…』


このときの、総司の顔が寂しそうで儚くて、なんとも言えず息が詰まる。


『さ、さぁ!みんな揃ったことだし行こうか!』


薫と目が合ったんだけど、鼻で笑われた。
お前はやっぱり馬鹿だ、と残して私の前を歩く。

こうでもしなきゃやってられないよ。


「あ、そうだなまえ」

『なーに?総司』

「レポート見せて?」

『うぇ?!またレポートやってきてないの?』

「ねぇ、み せ て?」

『はいはい』


これも日課だ。
だけど、こうやって頼ってくれるのはすごい嬉しい。

たぶん気を抜けばニヤニヤしてるだろう。


「いや、十分ニヤニヤしてるよ」

『そ、総司…』


気を抜かなくてもニヤついてました。


「なまえ、気持ち悪い」

『薫ぅうううううううう!!!!!!』


遠くで千鶴と平助が笑ってるのが横目に見えた。

お、おまいら…っ!













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