05




気づくと俺は、緑間とよく来たストバスコートへ来ていた。
それは本当に無意識的なもので。
馬鹿らしい。帰ろうか、と踵を返したとき、視界の端で親しみなれた緑が揺れた。
それは間違えるはずもない、緑間のもので。
目も以前ほどとは言わずとも、生気も戻ってきていて。
相変わらず3Pが入っている様子はないが、あの夜のように無茶やってるわけじゃなさそうで、安心して。
俺は絶賛絶縁中だってことも忘れ、練習に付き合ってやろうかと近づくと。
鷹の目を使っていなかったから見えなかったのだろう、そこには水色頭の─黒子が、いた。
ベンチに座り、真ちゃんの方をじっと見て。
たまに近づいては休憩させ、タオルやドリンクを用意して。
真ちゃんも、黒子の目を見てちゃんとしゃべってた。
そんな二人を見て、俺の中の黒い塊が増殖していく。
俺とはしゃべってくれないのに、俺には相談してくれないのに、俺とはもう、バスケしてくれないのに。
もうその場にいてられなくて、走って二人から離れた。
なんで、なんでだよ。なんで黒子がいるんだよ!
元々黒子は好敵手みたいなもんだって思ってた。
黒子と火神が誠凛の影と光なら、おれたちは秀徳の影と光だって。
黒子が鏡を支えるように、俺も真ちゃんのこと支えていこうって、そう、思っていたのに。
相棒だって思ってたのは、俺だけだったってことかよ?
一人で、裏切られた気分だった。
緑間は、俺じゃなくたってよかったんだ。
俺じゃなく、隣にいるのが黒子だって…ただ、パスが来れば誰でも。
もう、あいつなんて知らねぇ。
やけに胸が苦しくなった。


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前回投稿した05ですが、04の内容を重複して投稿していたようです。
もうしわけないです。





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