04




あれから数日経ったある日、洗濯物を干すなまえさんを見た。
久々に見る彼女の姿に胸が高鳴る。
俺も手伝おう、とカゴから一つ取り出し、横に並んだ。

「あ…」

驚いたように俺を見つめるなまえさん。
あたりを見回す…よし、兵長はいないな。
俺も手伝いますよ、と笑うと、ありがとう、と笑い返してくれた。


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「うっはー、疲れた…」

洗濯物を干したあとも暇だった俺は、結局他のことも手伝ってしまった。
訓練がないとはいえ…兵長に見つかったらどうするつもりだったんだと自分を叱責するも、まぁ見つからなかったんだしいいじゃないかと自分自身を納得させた。

「はいどうぞ、エレン」
「あ、ありがとうございます」

なまえさんがいれてくれたお茶を口に運ぶ。
ああ、やっぱり動いたあとのこれは格別だ。
…まぁ、なまえさんがいれてくれたんだからいつでも美味しいのに変わりはないのだけれど。

彼女自身も俺の隣に座り、お茶を飲む。
どうやらまだ仕事は残っているらしいが、一旦休憩とのことらしい。

隣で日頃のことを話すなまえさんは、とても楽しそうだった。
内容的には特に面白いというわけではないのだが、彼女の楽しそうな顔を見ているだけで俺は満足だった。

(そういえば、なまえさんの笑顔を見るの、久々だな…)

普段は兵長がずっとなまえさんのことを監視していて、この数日で彼女が誰かと話している姿は見たことがなかった。
もちろん、笑顔も。

あぁ、やっぱりなまえさんの笑顔は綺麗だな─
そんなことを考えていたとき、

ちゅ─

唇には柔らかい感触。
目の前には、驚いたなまえさんの顔。
そこで、俺は自分が何をやっているのか初めて認識した。
何を血迷ったのか、彼女の唇に俺のそれを押し当てていたのだ。

「っ、エレン…?」

無意識だった。
本当に全て、無意識のこと。

「なまえさん…俺、あなたのこと好きです。兵長なんかやめて、俺にしませんか」

そう…だから、俺がこの時こんなことを口走ってしまったのも、無意識なんだ。






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