02




「なまえさん、」

あさ食堂から出ていく俺の上司・なまえさんの姿を見つけ、駆け寄る。
そして、いつものように彼女のきれいな肌に目をやった。

「それ…」

昨日最後に会ったときはなかった、至るところに散りばめられた、赤黒いあざ。
日に日に増えていくそれは、みていてとても痛々しいものだ。

「また、兵長にやられたんですか」

なまえさんは隠しているつもりかもしれないけど、俺は知っている。
そのあざは、毎晩嫉妬に狂った兵長につけられたもの。

それでも彼女は、兵長と離れるなんて考えられない、って。
あんなになっても彼は彼だ、と儚げに笑うんだ。

「なまえさん、今日こそ兵長と別れてください。このままじゃ、いつか…」

嫉妬に狂った兵長の手によって、
そんな事態になる前に、俺が助けなきゃいけない。
なまえさんも、兵長も。

でもやっぱり、返ってくるのはいつも同じ言葉で。
ああ、この人はこんなにも兵長のことを愛しているんだな、と。
なまえさんには、幸せになってほしいって。
そう、思った。


(俺じゃ、幸せにしてあげられないんですか)






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -