08




次の日、私たちはまた藍染さんに呼ばれた。
ある程度ここのことはウルキオラに教えてもらったので、わかるようにはなった。
ウルキオラ含む、この間の十人の仮面の人たちが、十刃と呼ばれるとっても強い人だってことも。

「連日集まってもらってすまないね」

昨日と同じようにコツン、コツンと靴の音を鳴らしながら近づいてくる藍染さん。
やはり、あの貼り付けたような笑みも相変わらずだった。

「今日集まってもらったのは他でもない、ナマエの能力についてだ」
「私の、能力…?」

ニコ、と微笑んだかと思うと、私の首元をトン、と指先で叩いた。

「君の潜在能力を抑える、その石についてだ」
「…どういうことですか?」

ウルキオラが、十刃が訝しげな表情で問う。
私もだが、みんな藍染さんが何を言っているのかわからないといった様子だ。
そんなの、まるでこの石だけじゃなく私にも力があるように聞こえる…

「君たちも、見ただろう。あの石が紅く光ったところを」
「そして、君たちは感じたはずだ。あの石から光が発せられた時の霊圧を…」
「そしてあの時、強大な霊圧に隠れて、小さな霊圧を感じたはずだ。その霊圧は、おそらく…」

信じられなかった、否、信じたくなかった。
小さい頃にお母さんから聞いたことの、はずなのに。
でも私は、どこにでもいる普通の人間なんだ。
ごくごく普通の、

「なら、ナマエ。これ以外にどう説明するつもりだい?」
「そんな、だって、」
「昨日その石が光ったのは君も見ただろう?それと同時に、君も感じたはずだ。君の身体に起こった、異変に…」
「っ、でも…」
「私は考えた。君の力はあの石の力によって、押さえ込まれているんだ。これまで何もなかったということは、ここに来て意志の力が弱まったのか…あるいは、君の力が大きくなって制御しきれなかったかだ」

それでも信じたくなんかなかった。
今までの私の人生を、苦労を、人間として生きていたことを、否定されたようで。
人間として、痛みや苦しみや孤独感から耐えてきたことも、全て無意味だと言われているようで。
なのに…私は人間じゃないだと?
どいつもこいつも、笑わせてくれる。
私は、私は、

「私は、人間以外の何者でもないんだぁああああ!!」
「っ!?」

それからのことは、よく覚えていなかった。
何か紅い光が見えて、体が熱くなって…
意識を、手放した。


(最後に見たのは、みんなの苦しそうな姿と、)
(ウルキオラの、ひどく驚いたかお)






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -