07
「うう…」
重い、体。目の前に広がる、白い白い世界。
その中にふたつの、翡翠…
…んん?翡翠?
「っ、うっわぁ!」
ガバっと体を起こすと、目の前には怪訝な顔をしたウルキオラ。
「…静かにしろ」
「あ、ごめん…」
ジ、と私の姿をとらえて離さない、翡翠の目。
ちょっと、ジロジロ見過ぎじゃないの…。
「あの…」
「お前は、人間なのか?」
突然何を言い出すのだこいつは。
いやいやいや、普通に人間でしょ、どっからどう考えても。
てゆーかそのセリフそのまま返したいわ。
「俺たちは、破面だ」
「…心の中まで読まないでよ」
「人間が死ぬと、魂となる。その中でも何らかの怨念や自縛によって、虚となる…その進化形態が俺たちのようなものだ」
「へぇ…」
…あまり、今の説明では意味がわからなかったけど。
ただ、これだけは言えると思う。
ウルキオラも、もともとは私たちと同じ、人間だったってこと。
「貴様も…俺たちと同じ、破面なのか?」
「私は、人間だよ。正真正銘の、」
(どこにでもいる、普通の人間)