06
「貴様、何をした」
先ほどの光でより一層静まり返った大きな部屋に、ウルキオラの声が響く。
「私は何も…」
言葉の途中で力が抜け、身体が傾く。
なに、これ…力が入らない…
そしてまた、意識は途切れた。
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その場にいた誰もが、驚いた。
当然だ、突然人間の女がやってきたかと思えば、弱い霊圧。
かと思えば突然石が紅く光り、女が突然倒れた。
それは、あまりにも突然の出来事だったのだ。
…それに、あの石が光った時に感じた霊圧。
ただの人間のそれとは、思えなかった。
「ウルキオラ、」
考え込んでいたのか、少しボーッとしすぎていたらしい。
…たまにすぎる、くだらない興味。
「ナマエは、君に預けていいかな?」
「わかりました」
「じゃあ、今日はこれでお開きにしよう。主役がいないんじゃ意味がないからね」
藍染様の一声でバラバラと散っていく十刃たち。
グリムジョーも最後まで不満な目を向けていたが、腑に落ちないといった表情を残して去っていった。
「藍染様、あの女は…何者なのですか」
藍染様の命令で連れてきた、人間の女。
たしかに俺が近づいても魂が潰れなかったということは多少は霊圧があるのだろうが…
決して脅威になるとも、戦力になるとも思えなかった。
だがその問にはなんの答えも返ってくることはなく、ただゆっくり休ませてくれ、と微笑むだけだった。
(人間、お前は一体…)