不意打ち



世の中にはいっつもツンツンしていてムスッとしてて嫌われてるのかなと思うほど罵倒してきて、けれどたまに笑ったり優しくしてきたり甘えてきたり、そんな一面を見せてくるというなんとも厄介な生き物がいる。


そして人はそいつらを"ツンデレ"と称して呼んでいた。オレが密かに間違えた大胆に恋しているこいつ、みょうじなまえもその例外ではない。





「なまえ早く起きろ!!」


「んー…あと10分…」


「さっき5分のばしただろうが!!」


「るっさいな…せっかく非番なんだから寝かせてよ」


「オレも非番なの、ヒマなの」


「知るか」


「は?死ぬか?」


「………もういいっす」



諦めたように呟いた後、なまえは布団を頭まで被り出した。力を込めて剥ごうとしてみてもびくともしない。なんだこいつ、何気に力強ェな。



「ヒマヒマヒマ超絶ヒマ!!」


「はいはい、儀式でもしてなさい」


「もう終わったし!」


「テレビでも見てなさい」


「今面白いのやってねェもん」


「…………………」



しばらくして、なまえは勢いよく起き上がった。大きな欠伸をして、髪をわしゃわしゃとしている。



「お、やっと起きる気になったか」


「あんたがうるさいから仕方なくね」


「可愛いげねぇなァ」


「うるさい。で?今日は何すんの」


「格ゲーでもやろうぜ」


「あぁ、まあいいけど」



首に手をやり、筋を伸ばしながらなまえは部屋を出て行く。少し嬉しくなって、後からオレも追いかけた。



「やっぱなまえは優しいなァ」


「優しくない」


「だっていっつも結局付き合ってくれんじゃんよ」


「飛段がうるさいからでしょ」


「とか言ってェ、オレのこと好きだろ?」


「うん」


「……………は?」







不意打ち


(も、もっかい言って!!)

(いやだ)





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「気づけよ」と同じようなノリでかわいい飛段を書きたかったそんな作品。

男子が"もっかい"て言うのが好きな管理人の変な趣味が入っている。





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