気づけよ



激しい爆音と共に、大きな煙が舞い上がった。よっしゃ実験成功、とばかりにガッツポーズをし、そのままオイラはアジトにいるであろうなまえの元へ走り出す。



「なまえなまえなまえなまえ!!やっべぇマジやっべぇよ!!」


「ちょ、手汚い土ぐらい落としてよ!」


「あ、ごめん」



案の定なまえはリビングでマニキュアを塗っていた。あの暁特有の黒いやつ。ふうふうとたまに息をかけながら、手首をぶらぶらと動かしている。



「で?さっきの爆音から推測するあたり実験成功ですか」


「破壊力満点だぜ、成功なんてもんじゃねぇ大っっ成功!!」



へー、と興味なさそうになまえが相槌を打った。少しムッときながらも、キッチンの水道で手を洗った。後で鬼鮫の旦那に謝っておこう。



「あんたさ、もうすぐ16歳ですよ?なんでそんなキラッキラしてるの」


「爆発こそオイラの芸術だからだ」


「聞いたよ、そのセリフ何万回も聞いたよ。大体なんでいちいち私に報告するかなぁ、能力の管理はリーダーの仕事でしょ」


「能力とかじゃなくて普通になまえに知らせたかったんだ、うん…オイラの芸術分かってるし」


「わかりたくないわアホ、あたしが好きなのは花火だからね」


「花火と一緒だろ」


「まあそうだけれども…違うっしょ」


「じゃあなまえはオイラの芸術否定すんのか?」


「いやしないけどさ…肯定もしない」


「はぁぁ!?無いわ、中途半端とか無いわ」


「そんなバンバン爆破されたらたまんないわ髷野郎!!!話に付き合わされるあたしの身にもなれ!!」


「言ったな、言ったな!?じゃあオイラの話なんか無視しろよなー!!なまえのアホ、旦那といちゃこらしちまえ!!」


「なっ…じゃああんたこそあたしなんかにいちいち報告すんな!!」


「ああそうですか!御望み通りなまえになんかもう報告しませんよーだ!!!うん!!!」



バン、とわざと大きな音をたててリビングを出た。

いつもの、オイラたちのお決まりパターン。



「…………はあ」





気づけよ


(好きだからに決まってんだろうが!!)



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(リビングでいちゃつくな)
(イタチさん、本人達は知りませんからね)





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シリアスが続いたので気分転換にと書いたお題作品二つ目。

最後のイタチと鬼鮫が実は1番書きたかったという。笑





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