部屋を軽く掃除をして飲み物を用意していると、窓からコンコンとノックが聞こえた。


「邪魔するぞ。」

『まさか窓から来るとは思わなかったよ』


ここ2階なんだけどな、と笑いながら部屋へ通してエスプレッソを差し出す。可愛らしい小さな手でカップを持つリボーンくん。


「うまいぞ」

『良かった!……あのね、今日は色々と確認しようと思って君を呼んだの。』

「ボンゴレの事だな。山本はまだお遊びだと思ってるみてーだが。何でも聞いてくれていいぞ、答えられるものは話す」

『うん。じゃあまず……』


それから数時間、マフィアという全然知らなかった世界を垣間見た。ボンゴレの歴史、血縁者としての10代目候補、死ぬ気弾、遊びではなく本当に存在するマフィアであって、明日には同盟ファミリーのボスも来日してくるということも聞いた。もちろんツナは10代目としてボスになることを拒否しているという。


「どうだ?感想は。」

『ツナが嫌だっていうなら全力であなたを引きはがす。……まぁ多分無理だろうけど。でもツナに何かやりたい事ができた時は、家族として、私に出来ることは何でもしたいと思う。』

「よく言ったぞ。それでこそファミリーだ。」

『ファミリー……』


その言葉を何度も反芻した。少し嬉しくなり、思わず顔を綻ばせる。
そして私は意を決し、彼に最大の質問を投げかけた。


『最後にひとつ。あなた、何者?』

「オレは殺し屋で、ツナの家庭教師だ。それ以上でもそれ以下でもねぇ」

『ならその小さな外見は仮の姿だったりするのかな?例えばそう、さっき聞いた特殊弾か何かを使って。』

「自分で最後って言ったんだ、その質問は無効だな。」

『ケチ。』


ニヤリと笑み、上手くはぐらかされてしまった。
リボーンくんにはきっと秘密が沢山ある。けど今はその時じゃないのだろう。とりあえず彼とツナ、そして私達の現状は分かったので良しとする。

その後は他愛もない話で花を咲かせた。ビアンキさんやフゥ太くん、ランボにイーピンの話。とても濃いメンバーに囲まれているツナの毎日がとても刺激的で、このまま何事もなく楽しい日々が続けばと思った。






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