「で、このレンズがそうなんだけど……」

『うーん、僕も見たことないですね。でもこのレンズなら晶術が使えるかも!』

「でもどの属性の晶術が使えるんだろうね?」

『僕達みたいに特定の属性が付けられたわけじゃないのなら、ファーストネーム本人の属性に合った術を使った方が負担も軽くて良いと思いますよ。詠唱短縮できる小級晶術を一通り試してみましょうか』


軽く頷いて、リオンが教えてくれるイメージの通りにレンズに集中する。ぶわっとエネルギーが溜まっていくのを感じて唱える。


「ストーンブラスト!!」


瞬間、小さな石が定めた目標に向かって飛んでいった。しかしリオンの放つストーンブラストとは全く別物と言っていい程の威力で、実践で使えるとは思えない。まぁ晶力の扱い自体が初めての経験というのもあるだろう。
その後も他の術を試してみた結果、炎と光属性が私には合っているみたいだ。それでも、何とか形になっているレベルではあるが。


「実践で使うには無理があるな。時間がある時に練習しておけよ」

「分かってるよ。二人のお陰でイメージ掴めた、ありがとね」

『お役に立てたのなら良かったです!ファーストネームならきっとすぐ習得できますよ』

「うん、頑張ってみる!」


今夜から猛特訓だ、夕食をさっさと済ませて森へ行こう。あ、その前にアイテムのチェックをしておかなければ……またあの森で倒れるのは御免だ。




『ファーストネーム、絶対寝る間も惜しんで練習するつもりですよ』

「だろうな。見てれば分かる。後でマリアンに注意して貰おう」

『得策ですね。坊ちゃんから言うよりそっちの方が効き目ありそうです』

「全く、手の掛かる奴だ」

『(何だか坊ちゃん楽しそうですね、とは言わないでおこう)』






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