▼ 南戸さんと妙ちゃんが勝負!!
(現パロな南戸と妙)
「いやあ、参った」
南戸が降参とばかりに両手を挙げる。
「俺の負けだ、勘弁して」
竹刀は手元になく、対峙する妙の後ろに転がっている。丸腰で勝てる相手ではないのだ。この、志村妙と云う少女は。
「私の勝ちでいいんですか?」
汗ばんだ肌が艶々光っている。若いっていいねえ、と口には出さず、南戸は薄く笑いながら肩を竦めた。
「良いも悪いも、こっから逆転はできねえよ」
「四天王なのに?」
「それ止めてー」
恥ずかしい渾名をさりげなく出さないでほしい。四天王だけど最弱だし。
「俺の完敗。嬢ちゃん、強いね」
最弱でも四天王は四天王。それなりの強さは自負していた。
「貞操の危機でしたから」
にこっと笑った妙が額の汗を拭う。エロいなー、と思うだけで言わない。
「貞操だなんて大袈裟だねえ。エッチしようって誘ったわけじゃあるまいし」
誘わなかっただけで、その気がないわけではないが。
「嬢ちゃんにとってキスさせてーは貞操の危機?」
「危機です」
「顔以外でも?」
「他にどこがあるんですか」
「服で隠れてるところ」
「隠れてる・・・」
「どこだと思う?」
一瞬、妙が口ごもった。今さら恥ずかしくなってきたらしい。想像でもしたのだろうか。衣服で隠されている場所に口付けされる自分を。
「・・・南戸さんっ!!」
「悪い悪い、ジョーダンだ。面白かったから、ついからかっちまった」
軽い言葉で謝罪した南戸は、道場の角に置いていたタオルを手に取った。首筋を垂れる汗を拭う。
「・・・やっぱり」
「ん?」
タオルを首にかけた南戸が視線を流すと、落ちた竹刀を拾い上げている妙が目に入った。顔を上げた妙は柔らかく笑み、竹刀を南戸に差し出す。
「ありがとさん」
「・・・本当は、そっちが利き手なんですね」
「あ」
思わず受け取った手は、先ほどタオルを拾った手。南戸の本当の利き手だ。
「何かが違うと思ってました。動きが雑でしたし」
「あらバレちまってたか」
誤魔化しようがなく、軽く笑って素直に認めた。
女の子は可愛いのに、本気で竹刀を振れるわけがない。怪我させるなんてもってのほか。
「勝ち負けよりも、嬢ちゃんに怪我させないことが俺にとって大事なのよ」
でもやはり、キスはしたかったけど。
レモネード
2015/02/03
まさか南戸さんに票が入るなんて思いませんでしたよね?もちろん私も思ってませんので、この1票は私の1票です!!
自分でやったアンケートに自分で回答し、そのおまけまで書く女。そう、私のことですイエーイ!!
剣術って利き手があまり関係ないものが多いそうですが、まあそこはファンタジーということで!
レモンだけど甘い。でもやっぱり酸っぱい。甘いけど甘いだけじゃなく、大人の男と少女というか、そういうアンバランスさも南戸+妙の良さだと思うのです。
互いに異質な相手だからこそ、そこが珍しくてついつい寄っていってしまう、みたいなイメージ。
友人というほど仲良くはないけれど、何となく仲良し。そんな二人です。
これからも私は南戸+妙を推していきます!!!
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