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▼ 阿伏兎と妙が明るく隠れてる

(阿伏兎と妙)






「だから言ったじゃありませんか」

小さな声で阿伏兎を責めるのは年下の女の子。

「早く行きましょうって、ここに来るって分かってたでしょ」
「分かった分かった俺が悪い」

狭い押し入れの中に二人で入っているのだ。奥行きはあるが高さがないので自然と阿伏兎は妙を抱き込むようにして座っている。

「どうして神威さんから逃げてるんですか」
「まあ色々と」
「どうして家に来たんですか」
「隠れやすそうだったから」
「どうして私も一緒に隠れなきゃダメなんですか」
「どうしてかねえ」

気配はあるが距離がある。ここに来るかもしれないし、来ないかもしれない。

「近くにいるんですか」
「いや、気配は感じるがまだ遠いな。あの人は気配を探るのが苦手だから、このまま気付かねえかもな」
「じゃあ・・・」
「そうだな」

妙はここから出ようとしたのだ。しかしそれは叶わず、背中にあった阿伏兎の温もりが離れ、ぐいっと正面から抱き込まれてしまった。

「あの、なんですか」
「なんですかね」
「手を離していただけないかしら」
「離したら、次はどこに触れると思う?」
「玄関の扉じゃないですか」
「はいハズレ。正解は、」

近付いた温もりが妙の首筋に触れた。



2014/11/23


→このあと兄貴登場でカオスになる押し入れの中。あぶさん好きだあああ!!
どことなく軽く明るい色イメージだったあぶさん。わりとポップです(笑)
草の中に隠れてる兎のイメージですが、一体どちらが兎なのでしょうか(笑)

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