▽ 学パロで土妙←銀前提の土方と坂田の下ネタ会話
※長編未来設定です
「土方くんじゃん」
一服しようと訪れた屋上に天パ頭の先客がいた。
「あー、そっち行かねえ方がいいかも」
「あ?」
「さっきまでそこでエロいことやってたバカップルがいたんだよ」
「・・・あそこ、何か落ちてんな」
「使用済み的な?」
「最悪」
土方は舌打ちし立ち止まる。確かにそこは死角だが、だからってヤるような場所じゃない。他に行きようもないので、仕方なく銀色頭の隣に向かった。
「坂田、お前美化委員だろ。片付けろよ」
「一応連絡しといたわ」
「誰に」
「美化委員に」
土方は特に返事もせず煙草に火をつけた。片付けてくれるなら誰でもいい。
「ちなみに本番じゃなくて女がくわえてただけな」
「訊いてねえから」
ふう、と煙を吐き出す。坂田と話していると話題がめんどくさい方向に進む。天気の良い屋上でゆっくり煙草を燻らせるつもりが、どうやらその願いは叶わないようだ。
「そーいやさ、志村とヤった?」
「うるせーな」
「あーはいはい、まだってわけね。なんで?」
「お前に関係あんのかよ」
「関係、ねえ」
しゃがんだ姿勢で一服していた坂田が、意味ありげな笑みを浮かべる。
「土方さあ、志村とセックスの話とかしねえの?」
「・・・しねえよ」
「あっそ。あいつ俺とは話すんのにな」
「は!?」
危うく煙草を落としそうになった。意外すぎて思考が停止する。
「あ、悪い。これ秘密だったわ」
土方の衝撃を知ってか知らずか、坂田は呑気に煙草を吹かしている。
「意外と女は気にするらしいぜ。手を出さねえのも考えもんだな。まあ、誰がっつーわけじゃねえけど」
土方から見た志村妙には全くそういった気配がない。なのにそういう話を彼氏である自分とではなく、ただの友人である坂田としたのだろうか。
土方は顔をしかめる。怒りはない。戸惑ってはいる。あと、多分、悔しい。
「うわっ!」
気付いたら坂田の背中を軽く蹴っていた。痛みはないだろうがバランスを崩し倒れそうになるのを必死で耐えている。
「あー悪い」
心のこもらない謝罪をすれば「お詫びにジュース奢れ」と死んだ魚の目で脅された。別に怖くも何ともないが、面倒なので一応頷いておく。要望を叶える気はない。
「やきもちニコチン野郎」
「否定はしねえ」
坂田が僅かに目を見開いた。いつもと違い、軽口を素直に受け入れた土方に少し驚く。いつもならうざそうに返されるか、キレて怒鳴られるかのどちらかだ。カッコつけの男が自分の嫉妬心を認めるくらい、彼女に惚れ込んでいるということかもしれない。それと同じくらい、彼女が土方に惚れているということを坂田は知っていた。当たり前だ、頼みもしないのに散々惚気けられている。無自覚だからタチが悪い。
「いざというときチンポが勃たねえ呪いかけたから。さっきの仕返し」
「変な呪いかけんな」
「志村に愛想尽かされるのとどっちが早えかね」
「知らねえよ」
「あらら土方くん、弱気じゃん。そんならとっちゃおうかね」
「それがお前の本音か」
「じょーだん」
坂田は鼻先で笑い飛ばし、短くなった煙草を地面に押し付けた。
「───やべっ、足が」
しゃがんだ姿勢で煙草を吸っていた坂田の足は気付かぬうちに限界へと達していたらしい。足が痺れてうまく動けなくなっていた。
「自業自得だな」
「土方くーん、よろしくー」
「よろしくしねーよ。動けるようになるまでジッとしてろ」
「ションベンしてえのに、漏らしたらどうすんだ」
「馬鹿は風邪ひかねーから大丈夫だろ」
「志村とチューしてたことゴリラにバラすぞコノヤロー」
「どーぞ」
坂田の脅しに動じることなく、土方は素知らぬ顔で煙草を燻らせた。
土方×妙←坂田
これでも坂田は妙ちゃんに片思いしてると言い張ってはや数年。長編も終わらないけど、坂田の片思いもまだまだ続くよ!
prev /
next