天女は笑う
私は死んでしまった。学校から家への帰り道、信号無視をしたトラックに轢かれて死んじゃったの。何で私が死ななくちゃいけないの!?まだまだ、やり残したことたくさんあったのに。嬉しいこと、楽しいこと、気持ちいいこと、全部全部体験したかったのに。どうして私がこんな目に合わなくちゃいけないの!?

だけど死んだ私はまた新しい生を受けた。今までとは違った場所だけど、此処は前の世界よりも断然にカッコいい男の子が多かった。それに彼らは皆、私のことが好きみたい

私が笑えば頬を赤く染めるし、私が泣けばすぐに抱きしめてくれる。私が困っていればすぐに手を差し伸べてくれる。この世界の中心は私なのね。なんて素敵な世界、なんて愛しい世界。世界さえも私を愛しているなんて

そうか、これは神様がくれたチャンスなんだ。きっとこの世界にいるだろう王子様を見つけなさいって。此処で素敵な恋をして幸せになりなさいって。何てったって神様も私のことを愛しているのだから!

あぁ、まだ見ぬ私の王子様。きっと見つけてみせるわ。それまで待っていてね


天女は笑う
(下界の人間、誰しもが見惚れる笑みを浮かべて)
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