なんか目が笑ってないんだけど
「梢、とりあえず土下座して。」
「開口一声がそれですか?」

それが、おはようの言葉より先に飛び出した彼の言葉
拝啓 遠い里で暮らす母上。今日も私は元気に学園生活を送っております

「…ちょ、雷蔵、くん…首、首…絞まってる…ぐえっ。」
「ぐえって女の子が言う言葉じゃないよ?」

にこにこギリギリと笑顔で私の首を絞める雷蔵様。ちょ、何これ本当に無理死ぬこれ。遠目に見えるのは何も見ていないと自分に言い聞かせながら、黙々とご飯を食べる鉢屋三郎。助けろよおい。もう無理本当お願いしますよぎぶぎぶ。バンバンとその意思を込めて、私の首を掴む雷蔵くんの手を叩けば彼はあっさりとその手を離してくれた

「いやー、今日も梢は良い反応してくれるよね。」

本当に退屈しないよ。何て爽やかな笑顔を振りまく雷蔵様。そんな彼に抗議の声も挙げられない私は何処までチキンハートの持ち主なんだ!!

「げほっ。さいですか…。」
「うん。」

この笑顔が憎たらしい!見た目は天使みたいな容姿をしてるくせに、本当に見た目だけだなおい!だって中身は正に悪魔じゃないか死神じゃないか魔王じゃないか!!

「何か言った?」
「ひぎゃっ!いいいい言ってないですってー。」

しかも読心術とか本当最強すぎるだろーが!ってあああ心頭滅却心頭滅却ー!必死に心を無にしていたら、雷蔵くんが「あ。」と何かに気付いた声をあげた

「おはよう梢。」
「…いや、順序逆じゃない?普通それって会った最初に
「おはよう梢。」
「おはようございます雷蔵くん。」

にっこり笑った彼の笑顔はにこにこ爽やか。あれ、でも…


なんか目が笑ってないんだけど
「そう言えばまだ土下座してもらってなかったよね。」
「…へ。」
「土下座してよ。」
「あ、いや…やだな…って」
「土下座しろ。」
「喜んで!!」
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