届かない声
「…はぁ、はぁ、はぁ、」


もう体力の限界だ。廃校を飛び出した後、限界まで走って私は近くの草むらに身を隠した 。自分では大分走ったつもりなのに、木々の向こうには未だ廃校が見えている


「…こんなことなら、ダイエットしとくんだったわ…。」


こんなことになるんだったら…もっとたくさん思い出作っとけばよかった。今日だって家を出る時に、太助とケンカして来てしまった。まだゴメンねって言ってないのに…こんなことなら………もっと、、、





………ピッ  ピッ  ピッ  ピッ





「え、な、何っ!?」


行き成り首輪から無機質な電子音が響いた。それは首輪の爆発を告げる死刑宣告


「ちょ、ちょっと待ってよ冗談でしょ!?」


「あぁ、あと全員が教室を出た後、廃校の周りは禁止エリアになるからな。せいぜい首が吹っ飛ばねぇ様に遠くに逃げろよ。」


「あ、あ…あぁ…。」


走らなきゃ!このまま此処にいたら首輪が爆発して私は…そんなの嫌だ死にたくない死にたくない走らなきゃ逃げなくちゃ遠くへ遠くへ遠くへ

でも何処まで走れば良いのよ?走っても走っても首輪の電子音の間隔は短くなっていく。嫌だ死にたくなんてないのに私は…





ピッ ピッ ピッ ピッピッピッピッピピピピピピピピピピピピピピピピピ





「あぁ、誰か、、誰か…お願い………太助ぇぇ…っ





パァンッ


届かない声
(…もう1度…会いたかった…なぁ…)
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