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   ;キケン信号



校舎の中も、酷い有様だった。

煙草のカス、ゴミ、飛び散り固まった血痕、香水、が校舎中にこびりつき窓がないお陰でマシな空気になっている

壱留が廊下を通る度、生徒達の視線は彼女に向けられる

不信、憎悪、欲望、様々の彼女を探る視線が行き交う中彼女はそれらに視線を向けることなく、ペイントで大きく[二年A]とかかれた教室の扉を開く

校舎、廊下との荒れさとは全く違い綺麗に整理され、ゴミや塵も落ちていないこの教室

それはこの教室のとある生徒により、このような状態になっているのだ

入室する壱留に気付いた生徒達は一斉に挨拶を彼女に向ける


「「おはようございます!壱姐さん!!」」


綺麗に揃った挨拶は、教室中に響き生徒全員席を立ち頭を下げる姿は、不良やギャルばかりな為、中々シュールである


「――おはよう」


小さく挨拶を返す壱留に生徒達は席を座り直し、それぞれ談笑を始める



黒森壱留、彼女はたった一ヶ月でこの黒烏を制覇させた今では不良達の頭(トップ)。

彼女の喧嘩は、情けもなく、優しさもない生々しさを残存を置いてゆくのだ


「壱、今日は機嫌がいいねェ」

「――裏葉」





mae ato
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