;赤月の光り
時間は過ぎ、お昼休み生徒たちは各々と教室から出てゆき教室内では四人の生徒が残った
この時間帯、生徒たちは何が起きるのか理解している為この室内から出て行くのだ
残った四人の内、眩い程に染められた白銀なる髪型を天に向ける様立てられた男子生徒が立ち上がり、一番後ろに偉そうに座り見続ける黒森壱留目掛けて傷だらけの大きな拳を振り上げる
が、しかし安安と受け止める訳でもなく避ける訳でもなく黒森壱留は男子生徒が振り上げた拳をたった小さな左手のひらで叩いたのだ
軽く彼女が叩いたであろう男子生徒の拳は、見た目の軽やかさはなく音が鳴る程に男子生徒の腕は戻される
尚、静まり返る教室内誰しもの視線が彼女に向けられた
一気に落とされた威圧感、体内に駆け巡る
「ーーー余程、殺されたいみたいだな。高倉宗介」
鋭利な程に細められた双眸は、先程拳を振り上げた男子生徒にあてられる
気温二度は確実に下がったであろう教室内に、鳴るのは気が抜ける程の口笛だった
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