『沖田総司、井吹龍之介減点4!』
「聞いてくれ!!これには訳があるんだ!!!!」
「いいわけなんていらないよ、井吹。」
「薫って相変わらず不機嫌だね」
『うん、総司のせいでもあるからね?』
一週間に2、3度は遅刻しているだろうこの二人の名前を名簿に書くと総司がふと思い出したようにキョロキョロとなにかを探すかのように辺りを見回していた。
『・・・総司?』
「ねぇ、なまえちゃん。君の彼氏は?」
『かれ・・・っ?!』
その単語に頬が赤く染まるのを感じる。
あの日から2週間たった今でも慣れる気配はなくて、はじめくんに苦笑いされたほどだ。
「本当に初々しいんだから、二人とも」
『なっ・・・沖田総司減点5!!』
「ちょっとみょうじ職権濫用やめろって言ってるでしょ?」
「わー、薫が珍しく正論言ってるー!」
『か、薫きゅん・・・』
「みょうじなまえ減点3」
『・・・薫きゅん職権濫用よくないよ?』
「できない風紀委員の指導だから職権濫用ではないよ、みょうじ。」
『総司ー、私泣きそうー!』
「泣きなよ、なまえちゃん。」
『え、ひどい!!』
「おまえら朝からうるせぇよ!!」
「げ、土方先生さようなら」
「待て総司、どこへ行く気だ。」
「あれ、はじめくんおはよう。なんで僕の行く道を防いでるの?」
「あんたの行くべき道は真逆だ。」
「沖田、おまえこれ以上遅刻するようならそれなりのペナルティがあることわかってんだろうな?」
「はぁ、うるさいな土方先生って。」
『そ、総司・・・』
朝から冷えきっている空気を更に冷たくするこの空気に思わずはじめくんと目を合わせて苦笑いをしてしまった。
『はいはい、総司と龍之介くん早く行かないとHRまにあわないよー』
「そ、そうだな!ほらいくぞ沖田!」
察した様子の龍之介くんに感謝しながらも
いつもと変わらぬ様子の総司にためいきをついてトシ兄の方を見れば総司とは対照的に未だに苛ついてる様子で。
「ったく、沖田はいつも・・・ 」
『お疲れ様、トシ兄!』
「こうなったら毎日鈴鹿に迎えに行かすしかねぇか・・・」
『千は送迎車があるから時々しか総司をおこせないの!』
そういった時トシ兄の顔は不機嫌そうに歪んでタバコをくわえた。
「・・・お前らもそろそろ教室戻れ」
『はいはい、行こ・・・って薫は?』
「さきほど帰った」
『おおう・・・くーる・・』
「なまえ、おはよ」
『あ、千おはよー』
「窓から見ていたけど朝から大変そうね」
『本当だよー』
「・・・ねぇ、なまえ。見てて思ったんだけど、なまえと斎藤くんがつきあっていること、土方先生はしってるの?」
その言葉に思わず硬直してしまった。
硬直したのは私だけではなく少し離れた席に座っていたはじめくんもで。
「・・・なまえ?」
『・・・助けて千んんん!!』
そう叫んだ声は廊下にまで届いていたらしい(左之先生談)
ある問題は。(あの人にあるのです。)
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