斎藤 長編 | ナノ


それはお昼時少し前のことだった。

この間のちー様の一件で仲良くなった先輩が休憩にはいってレジが一人になった少し暇な時間に急に現れたのだ。

『いらっしゃいませー』
「お!なまえちゃんげんきだったか?」
「よっ、なまえ無理してないか?」

少し肌寒くなってきたこの時期に相変わらずの緑のジャージな新八先生に相変わらずのフェロモンな左之先生。それはある意味ちー様より目立っていて偶々店内にいたOLらしき女性の目線を釘付けにしていた(おもに左之先生が)

『わぁ!久しぶりですね先生方!』
「本当だな、新学期始まってから一ヶ月経ったしな」
「なまえちゃんいねぇとよ総司が数学の時間暇そうにしてんだよなぁ。あと千鶴ちゃんも千ちゃんもさみしそうにしててよぉ。」
「嗚呼、あと斎藤もぼーっとすることが多くなったな」
『はじめくんが?』

珍しい、いつもキチッとしててthe優等生なあのはじめくんが。なんてぽかんとしていれは原田先生は意味有りげな含み笑いをしながら頭を撫でてくれる。その感触があまりにも久しぶりで嬉しくなると同時に目の奥から熱いものがこみ上げてくるのを感じた。

「学校、気が向いたら部活くらいには顔出せよ」
『んー、暇ができたらね!』

そう言って笑って見せるけど左之先生にはお見通しのようでずっとぽんぽんと頭を撫でてくれていて流石イケメンだ、少し惚れそうになった少し。

「あんまり煮詰めんなよ、聞けば鈴鹿にノートのコピー頼んで勉強してるっていうじゃねぇか」
『っ!なんでそのこと漏れてるの?』
「そりゃあ、そんなこと漏らすのは一人しかいねぇだろ」

そう左之先生が苦笑いをしたときこの間このコンビニで溶けかけた某シャーベット状のアイスを買っていった男が思い浮かぶ。

「というかなまえちゃんちゃんと飯食ってんのか?!痩せて見えるぜ」
そう言っていつの間にか大量に食糧を抱えてレジにおいてきた新八先生。これが全て筋肉へ行くのか・・・なんて思うと少し怖い。

『あー、遅めの夏バテかな?』
「なにっ?!なまえちゃんただでさえほそいんだからよ、これ以上痩せたら倒れるぜ?」
「新八の言う通りだな、しっかり食わねぇと・・・」

『わかってる、ありがとう。』

未だに心配そうな二人にピースサインを作って見せると少しだけ笑みを見せてくれて
素直に頑張ろう、と思えた。


教師コンビ。

(よし!じゃあなまえちゃんに握り一個奢ろうじゃねぇか!!)

(新八、今月土方さんに借金返さねぇといけねぇんじゃなかったか?)

(あ、トシ兄怒ってたよー!)
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