沖田短編 | ナノ


  さよなら、あいしたひと。


「つまらない」

そうつぶやいたのは何回目だろう?

好きだった、愛していた。
それは今でも変わっていない、とは思う

疲れが残っていても週末は絶対に会ったし、声聞くだけで元気が出ていたしいっしょにいることも苦では無かった

付き合い始めた頃はあの子の笑顔が見たくて沢山の事をした。あの子も喜んでくれて笑顔でありがとう、と言ってくれて
その度にうれしくて
なのにどこから狂い始めたんだろう?
あの子の周りにいる男子が目障りで
あの子が笑顔を向けるのも僕から周りの男に変わっていっている気がして

あの子に僕の方を向いて欲しくて困らせて
時には泣かせて
だんだん、泣かせる事にも慣れてきて
最後のあの子、僕から見てても分かるくらいやつれていた。
僕が怖かったその瞬間は突然に来て

『別れて欲しい』

なんとなく想像もできてたんだ
だから、ごめんなさい、と何回も言って泣く君を見て虚無感が襲ってきた
なんで、君が謝るのさ?
なんで、僕のこと責めないのさ?

意味がわからなくてあの子と別れてから何かが足りなくて
女の子とも何人とも付き合った
土方さんを何回もいじめた
なのに、つまらないんだ
何にも楽しくないよ

さよなら、あいしたひと。
(君がいないと、つまらない。)

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