沖田短編 | ナノ


  赤い糸。


沖田くんはSだ。
しかも超が付くほどのドS
それに加えて何を考えているかも読めない

だから、今隣の席に座っている沖田くんの行動が理解できない

『沖田くん、これ何?』
「何って・・・赤い糸?」

私の薬指に結ばれた赤い糸を辿れば沖田くんの薬指。
運命の赤い糸といいたいのだろうか?
「なまえちゃんと一生いっしょにいれますようにって」
そう言ってにっこり笑う沖田くんは可愛いんだけど、わたし達付き合ってもないよ沖田くん・・・・
『あのね、とてもこれ邪魔なんだけど・・』
「土方さんの授業なんか、受けなかったらいいんだよ。ね、サボろ?」
『嫌だよ、沖田くん一人でサボってよ』
むすっとした沖田くんを苦笑いで流して前を向いた

さっきから後ろで斎藤くんの気が凄いから、ね。

「ねぇ、なまえちゃん。君って鈍感?」
『なんでそうなるのかな、沖田くん』
「なんでって、僕がこんなに好きって言ってるのに」
『友達としてだよね、ありがとう』
「・・・もういいや」

拗ねたように寝る沖田くん
あーあ。土方先生の青筋すごいことになってる・・・
そんなことを思いながらさっきから必死に抑えていた熱が顔に集まるのを感じて思わず俯いた
きっと真っ赤な顔は沖田くんに告白紛いをされて勝手に浮かれてるから
沖田くんの“好き”が冗談でも私は本気で好きだよ、と心の中でとなりで寝ている沖田くんに呟いて顔を戻すことにした

赤い糸は外さずに。

赤い糸。

(少しは、期待してもいいのかな。)

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