沖田短編 | ナノ


  さぼり。


沖田先輩の第一印象
爽やかそうなイケメン。
遊びなれてそう。

そう言うと沖田先輩はポッキーを食べながら顔をしかめた

「ちょっと、なまえちゃん。それは無いんじゃない?」
『気安く名前で呼ばないでください』
「いいじゃない、名前くらい。それより、僕ってそんな遊びなれてそうに見えるの?」
『・・・入学式の日に、沖田先輩三年の先輩ぼろぼろにふってたじゃないですか』
「あぁ、そんなこともあったっけ」
『もう、そんなこという時点で遊びなれてるように見えますよ沖田先輩。』
「別に、興味ない子に告白されても申し訳ないだけだしね」

そんなことを言う沖田先輩は本当に興味無さそうに食べ終わったポッキーの箱を潰して丸めていた

『でも、あれ結構1年の間で有名な話になったんですよ。沖田先輩に告白するとぼろぼろにフラれるって。』
「だから今年の一年生の子告白来る子少ないんだ、助かってるから丁度良いんだけどさ」
『沖田先輩でも告白来られると迷惑なんですね初めて知りました。』
「何それ、僕が告白されるの楽しみにしてるとでも思ってたの?」
珍しく眉間に皺をよせてる沖田先輩は丸めたポッキーの箱をゴミ箱に投げて見事的中。

『いえ、沖田先輩って告白して来た子をぼろぼろにふるのが趣味かと思ってました。』
「生憎僕にはそんな悪い趣味はないよ」
ため息をつきながらも沖田先輩はどこからか新しいお菓子を取り出して開けていた。
どんだけ食べるんだ。と言うよりまだここに居座るつもりなのか。

『分かったので、沖田先輩早く自分のクラスに戻ったらどうですか?』
「んー、でも今うちのクラス土方先生の授業なんだよね。」
『よく、そんな人の授業抜け出せますね先輩。』
「土方先生だから抜け出すんだよ。」
『それより先輩。うちのクラス数学の授業中なんです。早く帰ってください。』
「え、そうだったの?さっきから新八さんが言ってたのって数学の方式?なんかのゲームの呪文かと思ったよ」
『そうですね、それは少しだけ同感です。』
「なまえちゃん、やっぱり君さらっと酷いこと言うよね」
『沖田先輩に言われたくありません。沖田先輩とりあえずそろそろ戻らないとあの廊下の大声土方先生なんじゃないですか?』
「あー。もう来たんだあの人。こういうのだけ早いんだよね 」
『遅すぎるくらいです。土方先生にメールしたの10分前ですし。』
「え、君僕にはアドレス交換してく無いくせに土方先生とは交換したの?君、土方先生みたいなおじさんタイプなの? 」
『誰のせいで土方先生のメアド知ることになったと思ってるんですか沖田先輩。』

軽く沖田先輩を睨むとやれやれというようにきのこの形をしたチョコレートを口に放り込んで席を立った

「また来るねなまえちゃん」
『もう来なくて結構です沖田先輩。』
「釣れないなぁ、なんか君一くんに似てるよね」
『沖田先輩、早くしないと土方先生来ますよ。』
そう言うと沖田先輩は窓を開けて飛び降りていった
これには永倉先生を含めクラス全員ぽかん、と口を開けるしかなかった

沖田先輩、ここ二階ですけど。

「みょうじ、総司どこに行った?!」
『永倉先生、多分下に沖田先輩の死体は無いので生きてると思います。』
「そ、そうか・・・」
本当に運動神経いい先輩だ。
思わずため息をつくと机の上にきのこの形をしたチョコレートの箱が置いてあるのに気付いて少しだけくす、と笑ってしまった。

次、沖田先輩が来た時には何かお菓子を用意しておこう
そう思いながら数学の授業は通常通りになるのだった。

さぼり。
(なまえ、総司まだいるか?!)
(あ、すいません。窓から飛び降りて逃走しました)

2014.0403

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