沖田短編 | ナノ


  たまには。


今日も来た。

私のバイト先に毎日来るまれに見るイケメンくん。
毎日重そうな部活道具を肩にかけて
近くの高校の制服を着ている

「こんにちは、なまえちゃん」
『・・・いらっしゃいませ』

ついでに言うと私はこの人が苦手だ

「そんな顔しないでよ、で、今日こそ君のアドレスと学校教えて?」

『何も買わないなら今すぐ帰れ』

近くにあった某チョコレートの箱を
投げつけてやろうと思ったけど隣のレジにいた先輩がこちらを見ていたので抑えたのは褒めてほしい。

「はいはい、ならこれ買うよ」

そういってレジへ出してきたのは105円の金平糖

いつもこの金平糖かいちごオレを買って帰る沖田くんはかなりの甘党と見た

『105円のお買い上げですねー、ありがとうございましたー』

そう言って早く出てけと合図をすると
いつもの黒い笑みを浮かべながら手を掴まれたのは今日一番の誤算だ


「なまえちゃん、早く教えてよ」

『ぎゃあああ放せドS鬼畜セクハラ!!』

「酷い言われようだなぁ・・」

しゅん、とした沖田くんの顔に思わずドキッとしてしまったのはきっと、勘違いだ

『そんな顔しないで早く帰りなよ』

「あ、ねぇ!僕さこの間試合で優勝したんだけどさ」

この人は話を聞かない天才なのだろうか

『へぇ、おめでとう・・それで?』

「ご褒美、まだなまえちゃんから貰ってないや」

『は?』

ご褒美もなにも今試合で優勝したことを初めて知ったんだ

「だからさ」

『金平糖おごれ?』

「そんなんじゃないよ、なまえちゃん」

馬鹿なの?とでも言いたそうにため息をつく沖田くんに近くにあったタバコの箱でも投げつけてやろうと思ったけどまた投げつけなかった私を本当に褒めてほしい。

「休み、いつ?」

『は?』

「だから、休み、いつ?」


たまには。

(今度公開の映画観に行こうよ )


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