その女、隠す。
男も女も結局は裏切る生き物。
そんな生き物を見下すけれど彼らと生活していかなければいけないのは変わりようがない現実
だから、私は本当の性格を隠してにこにこと笑う誰からも好かれる女になるはず
だった。
その女、隠す。転校してから数日がたった
クラスの人達は私の予想通り馬鹿で単純な人達ばかり
一人を除いて。
「なまえちゃん、おはよう」
『沖田くんおはよう。今日も斎藤くん、怒ってたよ?』
SHR前に来た彼はわざとらしくため息をついていつもの笑みを浮かべる
・・・この、この笑みが苦手だ
感じがいいと言えばいいのだろうが
私と同類な笑み
「僕、なまえちゃんみたいな可愛い子が校門に立ってるなら遅刻しないんだけどね」
『ふふ、そんなこと言ってたら斎藤くんに怒られちゃうよ?』
私も彼と同類の笑みを浮かべて返すと沖田くんの目が猫のように細められる・・・その感じも苦手だ
彼には近づかない方がいい
私の本能はそれを警告していた
その時の私は沖田くんを避けることに精一杯だった
To be continue...
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