6.いざ水の都へ
ND1996――。
私は13歳になった。
私は、フォミクリー研究もまちまちに、個人的な研究……。
エフィネアへ帰るための理論構築を始めていた。
「キュビット!キュビット大変だよ!」
バンッ!
と、ノックもなしに私の部屋の扉を開けたのは…同じく13歳になったサフィールだった。
……あの事件でゲルダさんとお家を失った身寄りの無い私は、サフィールの家に住まわせてもらっていたのだ。
「おおおおう!女子の部屋入るときはノックくらいしてよサフィール!!」
とっさに、理論構築を書き記したノートを机の引き出しに閉まった。
……未だに、サフィール達には本当の事を話せていない。
「ご、ごめん……。でも大変なんだ!ジェイドが、グランコクマの士官学校に入ったんだって!!だから僕達も追いかけようよ!」
「へー、すごいねジェイド。……でも、私は軍人にはなりたくないなぁ……。」
「あ……そっか。キュビット、女の子……だもんね……。」
サフィールはしょぼくれた顔をする。いやいや、そういうことじゃなくて。
もし、私の研究が完成して、エフィネアに帰れることになったら……。
そうなった時、軍人になっていたらちょっと面倒くさいことになる。
……っていう理由があるんだけど、サフィールには話せないしなぁ……。
女の子だからって事にしとこう。
「ま、そんな感じかな。でも、サフィールについてくよ。そんなに必死になるってことは、フォミクリー研究がジェイドと出来るかもしれないから、なんでしょ?」
「うん!だから早く行こうよ!」
こうして、私はサフィールに連れられケテルブルクを後にし、
水の都……グランコクマにやってきた。
「うわぁぁ〜!すご〜い!確かこれ、全部譜術で……。」
水が踊るような街に、瞳を輝かせる。
……が、エフィネアのユ・リベルテを思い出して、胸がキュッとした。
「そうだよ。えーと、じゃあ僕は士官学校に行くから。……君は大丈夫なの?」
「……ああ……うん……。懐かしくなんか……。」
「え?……もしかしてキュビット、記憶が……!?」
サフィールに驚いた顔をされ、私は口をついてとんでもない言葉を放っていた事に気が付く。
「や、何でもないよ。大丈夫。私、ここで働きながら生活するから。住所は知らせるから研究する時とか、報せてよ。じゃ!」
慌てて笑顔を取り繕って、私は逃げるようにグランコクマの人混みに消えた。
危ない危ない。ボロが出てきた。
……バレないといいなあ。
いざ水の都へ
バレそうになるの巻!
なんかもうここらへんはよく分からないので調べつつ書きました。でも、結局もんやりしてよく分からなかったので、イメージで書きました。
多分サフィールは親に頼んで学校入る手続きしてもらったんじゃないかなーって思ったり。
なんかこう、水がぶしゃーってなってる街大好きなんですよ!
グレイセスのユ・リベルテとか!
というわけでアビスで一番好きな街はグランコクマなのです。あとあそこの音楽好き。