※R18
前後に分かれます
ゆっくりと確かめるように臨也の白い肢体に手を滑らせる。
静雄はその感覚に身を強張らせながらこちらを見詰めてくる臨也にふっと笑い返した。
「んな不安そうにしてんじゃねぇよ」
「して……ないし」
そう強がるものの、未だにこの感覚には慣れないのだ。
何処までも甘やかすような優しい触れ方に。
静雄は臨也を抱く時これでもかという程優しく抱く。
自分だけ快楽を追うなんてせず、全て臨也に合わせて動く。
お互い女性の経験はあったのだが臨也にとって抱かれる側というのは初めてであった。
初めて二人が繋がった時、やはり痛いだけで快楽なんてものは微塵もなかった。
ただ臨也は長年想い続けた相手に抱かれているという事実に純粋に歓喜していたので身体を裂かれる痛みにも堪え、静雄を受け入れた。
けれど静雄は違った。
愛しい恋人と繋がる喜びと同時に激痛に顔を青くしている臨也へ申し訳ない気持ちが止まらなかった。
それからというもの、静雄はsexの時は臨也をとことん甘やかすようになったのだ。
「んぁ……あ、ぁ、や……っ」
後ろから抱き抱えられながら乳首と中心を弄られる。
熟れたそれを丹念に捏ね擦られ先走りは既に後膣を濡らしてしまっている。
そこをするりと撫でられれば不意打ちの刺激に全身が戦いた。
「ぁ、あ、嫌……も、早くぅ……」
「もう少し我慢な」
「ん、ぅ…がま、できな……よ」
静雄は前戯や後ろを解すのも丁寧に時間をかけて施していく。
焦らされて焦らされて、その後の快感は半端なく気持ちいいがそれまでじんわりと火であぶられるような愛撫は甘い拷問に近い。
静雄の丁寧な仕込みに臨也の身体も敏感に反応するようになりそれこそ肌が触れ合うだけで感じてしまう。
臨也が泣いてねだっても静雄は聞いてくれない。
そればかりか臨也の嬌声を目安に手順を踏んでいる節がある。
これは臨也の知りえない事なのだが。
漸く後膣に静雄の長い指が侵入してくる。
待ち望んでいた刺激に震えるが指だけでは足りない。
前立腺をわざと掠めるように避けて指を動かされれば啜り泣きが混じった声が上がる。
「はふ、ぁあ……あっ」
「泣くなよ」
「ぁ、やら……もぉ、あっ、や…シズ、ちゃ…ぁ」
静雄を内に納めようと渇望する内壁が勝手に静雄の指を飲み込んでいく。
それに逆らって指を引き抜けば震える腰と切なげな声。
臨也を仰向けに倒し指を増やしてばらばらと動かしてやればまた奥へと誘おうとする動きが強くなり後ろからでは届かなかった奥を掻き回された臨也は全身を痙攣させながら甘く啼いた。
臨也は堪らず静雄にしがみつき緩やかな快楽の波に泣かされながらも蕩けきった脳内は素直に静雄を求めてしまう。
普段池袋で会えば自分を潰そうと振られる筈だった手が馬鹿みたいに優し過ぎた。
訳が解らなくなる程激しく揺さ振ってくれるなら恥も外聞も無しに乱れる事が出来るのに。
いつものように暴力的にしてくれれば良いのに。
何もかもを奪いさらず、優しく愛撫されそんな笑顔を向けられたら自分は確かに折原臨也という人間なのに柄にも無く彼を求めてしまう。
艶がかった意識が無意識に彼へと向けられて思考が止まってしまう。
自分らしくない、そう思うのに確かな心地良さに妥協してしまっている。
それは今まで生きてきた人生感をひっくり返すようなものでプライドが許さない。
その筈なのに愛おしさが勝って上手く自分をコントロール出来ないぐらいに追い詰めてくる静雄は本当に狡い。
臨也は朦朧としてきた意識の中でそう思う。
ぐちゅぐちゅと掻き回される音や自分の声さえ遠く感じ始めた頃、今まで黙々と解す事に専念していた静雄が声をかけてくる。
「もう良いか?」
後ろから静雄の指が引き抜かれビクンと身体が震える。
臨也の中はもうトロトロと蜜を零し収縮により何かを求めてうごめいている。
「…ず、ちゃ……ぁ、」
「ん…?」
「はや、く……きて?」
今日もまた優しくプライドを崩されてしまった臨也はそれにも気付かずふわりと微笑んだ。
静雄もまた微笑んで軽く涙の溜まっている眦にキスを落としながら臨也の脚を開き肩に担いだ。
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