100年前ブレリンとウルフリンク


(どういうことだ)

いつものように呼び出され駆けつけたら目の前にはいつもに増して仏頂面のアイツ。
なにかがおかしい。そう、アイツの背後にいる金色の長い髪の彼女とか、厄災のいない綺麗な状態の城とか。
まあつまりはそういうことだろう。何らかの手違いならきっとそのうち100年後に戻るだろうと座ったまま静かにしていると、アイツは盾も装備せず軽装で、少しも眉を動かさず俺に近づいた。後ろの彼女もおっかなびっくりそれに倣う。表情のわりに遠慮なく、俺の頭をわしわしと撫でた。

「……もふもふだ…………」

どうしたんだお前。疲れてんじゃないのか。目の下、誤魔化してるけど隈あるぞ。
まあいい。100年後のお前から、断片的には聞いている。姫の護衛やら心無いものからの陰口やら英傑としての重荷やらで疲労困憊なんだろう。今回だけ特別に許してやるから存分に癒されるがいい。
あっこら、しっぽはやめろ。

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