fategoの二次創作2
2016/09/24 18:37

今日の朝食はスクランブルエッグと、サラダと、その他諸々。スクランブルエッグは先輩の大好物だからこれはとても喜びながら食べるんだろうなと想像すると先輩のかわいらしさに笑みが溢れる。毎朝おはようって言いあって、ご飯を食べて、今日の予定を話して、危険はいつだって隣にあるけれど、先輩と毎朝こうしていれることが私の幸せなのだった。そして今日も頑張ろうって思える。だから早く来て欲しい。
先輩。


時計の針が9時を示した。さすがにもう起こさないと行けない時間だ。先輩が寝坊なんて珍しい。疲れていたのだろうか。もしそうだとしたら、気付けないなんて私はサーヴァント失格だ。
早く起こしに行かないと。早く会いたい。
先輩の部屋は、食堂から少しだけ遠い。私には特に苦ではないのだけど、先輩には煩わしいようで、よく面倒だー、とぼやいている。
あっという間に着いてしまった。先輩のことを考えていたから?もしそうだったら自分に引いてしまう。いやもうとりあえず考えないことにしよう。
「先輩、起きてますか?」
ノックをしつつ声をかける。返事がない。まだ寝ているのだろうか。そっとドアの引手に手を掛ける。鍵はかかっていない。でも鍵があいてるからって勝手に入っちゃうのはさすがにダメだろう……と思いつつ開けてしまう私。入りますよ、と申し訳程度に呟きつつ中に入る。
先輩の部屋は真っ暗だった。
「せん、ぱい……?」
そっと足を中に入れようとすると何かに引っかかる。しゃがんで引っかかった何かに触れる。本だ。
「マシュ……?いるの?」
「せ、先輩!どうしたんですか!?」
「こっち。きて」
先輩が言うなり部屋には電気がついて、部屋の全体が見えた。本が散乱していて、足の踏み場がほとんどなくなってしまっている。いつも本を大切にしている先輩からはありえない様相だった。
私が気圧されていることに気が付いたのか、もう一度先輩が呼びかける。「マシュ。こっちに、きて」その声は切実さと悲しさを孕んでいて、私はなぜだか泣きそうになった。
「マシュ」
「はい」
「マシュ、もっと近くに、そしてわたしを――」
先輩は一瞬ためらいを見せた。逡巡したあと、私に言う。
「――抱きしめて」
本当は、もっと別のことを言いたかったのだろうって、私にも分かってしまうくらい、先輩は弱っていた。何があったのか分からなかった。だって昨日は、あんなにも、。私は望まれるままに先輩を抱きしめる。温かい。
「ごめんね、マシュ」
「何が、ですか……」
「抱きしめてもらえるのって、気持ちいいね」
「先輩、私、」
「わたし、どうしてここにいるのかなぁ…」
私は思わず顔を上げた。先輩はいつもの微笑みじゃなくて、無表情で、何もわからない。でもその表情がどうしようもなく悲しくて、感情がぐちゃぐちゃに混ざって悲しめばいいのか怒ればいいのか分からなくなってしまった。
「そんなこと、言わないで…ください」
「ねえマシュ、あなたは、あなただけは、わたしとずっと一緒だよね。ずっとずっと、一緒だよね」
「はい、当たり前です、先輩がそう望むのならば」
そう言うと先輩の目が少し暗くなった。心が一瞬で冷たくなって寒くもないのに体が震えた。それが何を意味するのか。
私、私は、間違えた。
「ありがとう、ごめんね、マシュ」
「いいえ。いいえ……」
先輩がいつもの微笑みに戻っている。もうあの表情は見られないのだろう、私は、先輩は、どうして。
「泣かないで、マシュ」
「ごめんなさい、ごめんなさい……先輩」
「大丈夫、わたしはずっとここにいるから」
嘘つき。



pixivにあげる(かもしれない)時はほのぼのENDにするつもりなんでこれここにポイしておく。推敲もなにもしてないほぼプロット。ここ便利すぎる



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