リハビリだけどこれまた微妙
2016/06/30 21:30

葉くんに手を伸ばしても届かない、僕の手が、あと少しのところでブレてしまう夢を何度も見る。実際には、ずっと側に近くにいて、触れて、いるのに。肝心な所で、ズレている、そんな気がする。してしまう。
ねえ葉くん、
僕は君からなにか頼まれたり望まれたことは、あったかな。

僕たちは喧嘩をしたことがない。お日様が上がってから沈むまでずっと一緒にいることだってあるのに。それぐらい相性がいいのかな。わかんないね。でも一度も、ないって言うのは。
でもこれに、きっと大した理由はない。僕たちが互いに大人なだけなんだろう。きっと。だから、なんてことないのだ。
だからか、僕は、葉くんの心に触れたいと、いつからかそう思うようになっていた。手を伸ばして、触れたくて、怖くて、引っ込める。僕の馬鹿。こうしたくなるのは、葉くんがどこか、心を閉ざしているような、そんな気がしてしまうから。
葉くん。君の隣にいて、喋って、触れて、触れられて、あたたかくてきもちよくて、それだけで幸せなのに、その先を求めてしまう自分が嫌だ。でも葉くんのことをもっと知りたい。こうやって隣にいるってそれだけで嬉しい友達は、葉くんが初めてだから、距離感を測りそこねてしまいそうで、怖いけど、それでも。これまでだって、うまくやってきた。だからきっと、大丈夫だよ。自分にそう、言い聞かして。なんでここまでしてしまうの?
だって、好きなんだよ、葉くん。君のことが。
それだけなのに、どうしてこんなに苦しいんだろうね。



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