「すっげぇぇぇぇ!!」
ハンジが叫んでいる。
「何っ!?この綺麗な青い髪ぃ!!!どぉなってんだよぉぉ!!
すげぇ!?生えてる!!生えてるよ!この髪!!!
あ、いい匂いする。
目、青!?てかアクアブルー?すげぇ見た事ねぇ!!!」
「いてて、引っ張らないで」
「てめぇ!!変態の分際て林檎先輩の御髪にさわるなんざ何様のつもりだぁぁぁ!!!
手離せぇぇぇ!!!」
本隊と合流したリヴァイ班と濃霧は壁の中に戻るため馬で駆けていた。
四月一日や濃霧の世界では珍しくなかった青い髪は此方の世界では非常に珍しく、というか見たことがなかったらしく誰も彼もが濃霧をチラチラ盗み見ていた。
また、青い目は存在するが濃霧のようにアクアブルーともいえる薄く透明感のある瞳は存在しない。
それ故に、濃霧特有の美しさも合わさって余計に目を引くのだ。
「変態だなんて!褒めてもなにもあげないよ!」
「褒めてねぇぇぇ!」
四月一日にはそれが嬉しくもあり腹立たしくもあるという非常に複雑な心境なのだ。
「ねぇぇぇ!私、ハンジ・ゾエ!
ハンジって呼んで!アナタは?」
「僕は濃霧林檎と申します。
林檎が名前ですのでお好きなようにお呼びください」
「ならリンゴだね!
ねぇその髪一房ほしいなー!目も片目ほしいなー!
むしろ脱いで!体毛までその色なのか見てみたい!」
「おい、いい加減にしろハンジ」
とうとうリヴァイまでもが眉間に皺を寄せてそう言った
そんなこんなしていると濃霧の瞳に巨大な壁が見えてきた。
「…なんと、あれが」
「そうっすよ、家畜小屋ッス」
「…的確な表現ですが、失礼な表現ですね。」
「まぁ、不可解な点はいろいろあるんですけど、取り敢えずここの奴らの文明、せいぜい中世ヨーロッパっすんで、都合が悪くなれば簡単に全滅とか殲滅とか出来ると思うッス。」
「ええ、そのようですね。
どうやら絶滅の危機にも瀕しているようですし、ゴタゴタに巻き込まれないうちに早々に帰還するのが望ましいですね。」
「全くです」
馬上で交わされる会話は他の人間には聞こえないように操作してある。
他には二人が馬上でイチャイチャしているようにしか見えない。
因みに四月一日は先程の戦闘で馬も射殺してしまったので濃霧の馬に相乗りしている。
「なんか、仲良いねー
兄妹だからってのもあるから犯罪臭するんだけど
お、ほっぺにちゅうした。」
「ワタヌキはお兄ちゃん子だったんだな」
「へっ、可愛いトコもあるじゃねーか」
「オルオ、ホントに気持ち悪いんだけど、そろそろ死んでくれる?」
「…お前はなんで俺への風当たりが強いんだ、ペトラ
女房面しやがって」
「…死ねよゲス野郎」
◆
うちのペトラは強い女です。
面皮