雨のち雨のち雨のちエンドレス

「こんにちは」

「・・・・・ちわっす」



ざんざんぶりのバス停の長いすに座る私・・・と・・青い人、誰?



「まだ秘密です」

「うっわい心読まれた」



マジでこの人だれ、つかここどこ



「夢の中です」

「へー・・・って、マジで?」

「マジです」



ニコニコ笑いながら返す少年、あ、地味にまた心読まれた



「・・・・止みませんね」

「・・・だねぇ」

「夢はその人の深層心理の表れだとか」

「君からちょっとばかしお仲間の匂いがするよ」



うん、中二臭? 気のせいかな?



「雨は晴らすべきだと思いませんか?」

「雨好きなんだけどな」



沈黙、何か喋ろうよ怖いよ何か






パシャンッ





水が跳ねて目の前に女の子が現れる。雨に当たりながらも笑い続ける女の子、正直こわい



「あの子何方さん?」

「私の友人の大切な人です」

「なら迎えに行ってあげなよ幼女ずぶ濡れにするとか犯罪臭半端ないよ」

「まだ駄目です」

「Sか君、いじめっ子通り越してSか」

「・・・・・・・・・まだ、――――が見てくれてます」



聞き取れない、何だろうな、砂嵐とかに邪魔された気分



「ごめんなさい、」

「へ?」

「友人に頼まれてたので持ってましたが、少し零しますね、痛いんですよこれ」

「なにが?」

「大丈夫ですよ、少しだけ、だから」



聞けおい



「ごめんなさい、もう・・・・―――――いーーーーーわ・・・・・・」




あぁ、砂嵐がひどくなった。うるさいなこれ、深夜放送ですらもう少し穏やかだぞ



あー、ねむい













































『おーい嬢ちゃーん』



声がする。少し訛ったような、誰だろ



『駄目じゃ昴君、起きりゃーせん』

『ふむ・・・、仕方ないな、少し耳を塞いでいてくれ』

『?』



聞き慣れた声、昴? あの舌ったらず感満載の声はどうしたんだい?




ギャリィィィィィィギャキャギャギィィィィィィ!



「З∬∞£j這fхД!!!!?」

『む、起きたか』

「起きたかじゃないよ何さっきの音サブイボ止まらないんですけれど!?」

『“いやなおと”早く起きないと次は顔でも引っ掻いてやれとアララギに言われた』

「おうふっ」



悔しいっ、袖の布噛んでキーッとかやってみてたらミジュマルくんがぽっかーんとしていた



『・・・嬢ちゃん・・・』

「ん? どったのミジュマルくんや」

『昴くんとフツーに会話しとるが・・・ワシの声も分かっとるようじゃし』

「・・・へ?」



昴があ、そう言えばみたいな顔して此方を見る。私も大体似たような顔だろう



「・・・はっ ついに目覚めた私のパトs「なぁにほざいてるのかしら潰すわよヒサナちゃん」



アララギさんが素晴らしい笑顔で私の頭を鷲掴みにする。痛い痛い頭皮ずる剥ける痛い痛い!



「聞いてよアララギさんポケモンの言葉分かるようになったよっ」


だから手ぇ退けてもらえると嬉しいな! そう続けたかったけどアララギさんの手がすんなり離れたので言い留まる。



「アララギさん?」

「んなこたどうでもいいから着替えてきなさい、出発また先延ばしにするつもり?」

「先延ばしって延ばしたのアララギさんじゃ・・・」

「ん?」

「ゴメンナサイイッテキマスダカラ手ェバキバキ言ワスノ止メテコワイ」



満面の笑みすら怖いよ、うん、早く着替えよう、昨日のまんまだ





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いい加減旅立ちたい・・・


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bkm