保証書のない電気製品を見る



「とりあえずおりてくんないかな?」

「あ、やべ」



起きあがる黒髪もじゃっこ。そしてため息をつく・・・・なんだっけ



『ん、なんね嬢ちゃん? そんな見られるんは照れるばい』

「おおう、すまんねえーっと・・・?」

『あーこん地方にはおいの種族はおらんかったなぁ おいヒトカゲ言う種族なんよ ヒトカゲの炎嵐(ホムラ) ほのおにあらしってかいてほむら、』

「わぁなんて格好いい名前」

『おおっ 褒められたぞミコトちゃん!』

「よかったよかった そういや炎嵐が何言ってるか分かるんだな」

「最近目覚めた私の能力さ」

「すげぇな 俺昔っからだけど慣れるまでしばらくかかったのに」

「妥協享受スルーは私の十八番なのだよ」

「すごいすごい」

「あはははははは」

「あはははははげぶぅっ」

「「!?」」



今度はご主人さんとミコト・・・? まぁいいミコリンにしよう ミコリンがはもった。背中に追突する何か。立ち上がったばっかだったのに! そして再び激突する顔面・・・・顎。割れてないよねこれ、大丈夫だよねこれ



『ヒサナちゃんおった!』

「なんなのもう背中ダイブが流行なの顔面打つのが流行なのどっちなの」

『ヒサナ、帰りが遅いから心配したぞ』

「出てまだ10分と経ってないよお兄ちゃん!」

『おに、い・・・・・ん?』



昴の目が緑髪の方に向いた。じーっと凝視して眉間にしわを寄せる



『・・・・お前は・・・』



「うっわ血の池できた。すいませーんティッシュ下さい」












*    *    *






はい、血の池埋め立てしてたら周りから人の気配がなくなりました。心霊ドラマレベルに人がいない。店閉められた。あと緑髪には逃げられた。お前もか、
しゃあないから移動して現在ポケモンセンター近く、きゃいきゃい転げまわってる我が家の千陽と炎嵐君と見守る昴を見ながら鼻にティッシュを詰める作業を開始。上向き続けるのは辛いのでまあ荒療治だけどしょうがない



「・・・・・・・・・」

「ん、どしたのミコリン」

「何その女の子みたいなニックネーム まぁいいや、あれを見てどう思う?」

「・・・・・すごく、中二くさいです」



ミコリンの視線の先には、なんか、こう、形容しがたい服の集団がいた。昔の甲冑・・と言えばいいだろうか、そんな感じの
PとZが絡んだ旗を掲げて誇らしげにしている奴らからするりと出てきたのはこれまた昔の王族が着てそうな服を着たオジサン。ナイスミドルと褒めればいいのかナイス中二と崇めればいいのか分からない。



「ワタクシの名前はゲーチス プラズマ団のゲーチスです
今日みなさんにお話しするのはポケモン解放についてです」



・・・・・まぁ、そのおじさんの言い分を分かりやすくまとめるならこうだろう


ポケモンはすごい生き物なので解放しましょう


いろいろ端折った感が否めないけど・・・つまりポケモンと人間が対等になるためにはカイホウをしなければならないらしい・・・・うん、はい・・・・



「つまり?」

「いや、さっき簡潔にまとめてただろ」



あ、口に出てた。



「分かんないかなー・・・こう、正しいっちゃ正しいんだよね、私の知り合いがポケモンの研究やってんだけどさ、時事の資料見るんだけどたまにエグイんだよ・・・まあ解放されて幸せ! 大自然グッジョブ! ってなるかは分からないけど
ミコリンは?」

「んー・・・俺回りトレーナー多かったからなぁ・・・やっぱパートナー! って意識が強いよ できれば完全開放はナシ」

「ふーん・・・・あ、そういえば昴君やい」

『ん?』

「今更だけどボールいる?
ちー君はアララギさんにもらったやつあるけどすっ君はないんだよね・・・・砂漠越えとかあるから千陽には必需品だけど・・・・いや、砂漠は昴にも酷か。熱いの得意? 平気?」

「あー・・・いや、今は・・・その、もう少しだけこのままでいい・・・・」

「ん、了解」






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昴君がボールに入らない理由。その他もろもろ、あとで分かります


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