感謝祭作品 | ナノ
「なぁ」

「は、はい、なんでしょう」



外がもう真っ暗になってしまったような時間、張苞様の寝台の上、寝間着姿で2人、その、夜の営みと言うものをいざしようとしていた時のことでございました。言いにくそうに口を開く張苞様が、胡坐をかいてこっちをじーっと見てきます。




「その、さ、

........舐めてもいいか?」

「は?」



舐める、はて、頭が思うように働かないので何がとも聞けず、首を傾げればさらに言いにくそうに首を背ける張苞様。歯切れの悪い反応をすること少し、張苞様が「だああ」と唸って指さしたのは、その、股座と言いましょうか、股の間と言いましょうか、本来なら舐めるとか考えもしない所。



「い、いやです! ダメです! 汚いです!!」

「さっき体洗っただろ!?」

「そうではなく!!」



半ば自棄になりだした者同士、自分でも何を言っているか分からなくなってしまった、節はあります。暫く言い合って、両方言葉に詰まって、



「たまには、いいだろ」



熱っぽい視線と、肩を持つ大きな手。小さく「そんなに嫌なら....」とか仰るから、断る選択肢などないわけで、
小さく頷いた瞬間押し倒され見下ろしてくる張苞様の顔に怖さなんて初めて感じました。



「じゃ、やるぜ」

「え、あ、やっぱり無理です、ち、張苞様、ぁっ」



帯を解かれた夜着が落ちて、張苞様が足を自分の肩に乗せる。そんな体勢になると自分の秘部がよく見えるわけで、息が当たるだけでもじくじくとした感覚が広がっていくものだから、自然と声が出てしまいます。



「あ、だめ、だめですっ、あ、ひぁ!」

「だめじゃねぇだろ、もう、ちょっと、」



指とは全然違う動きにがくがく震える腰は張苞様に抱えられ、満足な身動きもとれず、目を開けると自分の股に顔をうずめる張苞様が見えてしまいますので目をきつく瞑って、水音と快感に耐えます。恥ずかしさと申し訳なさで本当に


どうにかなってしまいそうで、



「甘ぇ、気がする」

「そんなわけ、っあ」



小さな膨らみを張苞様の歯が掠めて、上がった声に何を思ったのか、舌先で押しつぶすように舐める張苞様の舌に力がこもります。
しがみ付く物のない体勢と言うのは思った以上に怖く、敷布を握っていた手を張苞様の方に伸ばせば、それを握る大きな手。違う、私がほしいのは手じゃなくて、



「っあ!.......ああ、っ........ほ......っ、ちょー、ほ、さまぁっ!」

「......っ、ん? うおっ」



顔を上げた張苞様にさして力の入らぬ腕を伸ばせば、意をくんで下さったのか同じように腕を伸ばす張苞様。やっと近づいた張苞様に抱き付いて、安堵の息をつく。



「怖かったのかよ」

「.....はい、あまり、遠いのはいやです」



お願いですから、あまり笑わないでください。