「アーシェ」

「? どうかした?」

「ちょっとお兄さんって呼んでみろ」

「お、お兄さん.......?」

「おーし次『千弾はん』って言ってみ「おーいどうしたー怖いぞー?」



借りてきた消毒液でアーシェの切り傷を消毒しながらの会話に顔を引きつらせるビスタ。頭を動きまくってる昼間の女・・・カティアだったか、



「やっぱ、なァんか違ェんだよな.......」

「?」

「イゾウ本当に大丈夫かお前」








適当な受け答えの後、修行も終えてアーシェの服は修行場に隠して、煙管咥えてぶらついても離れねェカティアの顔。何だってんだ......




「いーぞたんっ」

「よーしサッチ君今すぐキッツイ酒もってこいさもなくば撃つ」

「かぁっしこまりましたぁぁぁぁ! ハイドくんキッツイのいっぽぉぉぉぉぉぉん!!!!!!!」

「うぃーっす朽ち滅べ呑んだくれ」

「俺が飲むんじゃねぇもんよ!」



厨房から投げ渡された酒瓶とコップ2個を片手で受け取って俺に渡す。コップいらねェから返そうとしたら「ラッパ飲みきーんしー」と押し返された。



「どったのよイゾウ」

「......この船のさァ......医療系って空きあったっけ」

「え、転属すんの? 銃やめてメス持つの?」

「んなわけねェだろうが」

「おおコワ
空きねぇ.......ヤガルの爺さんに聞かねぇと分からねぇな」



あの爺さん怖ェんだよなぁ ならもうちっと怪我の量減らせよ うっせ
空になったコップに酒を注いで一気飲み。サッチのコップにも注いでやればちんみりちんみり飲み始めた。



「そーいやイゾウさんや」

「ん?」

「黒髪ロングのかわいこちゃんと歩いてたって聞きましたが」

「............」

「え、なに地雷? 踏んじゃった?」

「察しがよくて何よりだよサッチさんよ」

「その子乗せたいの?」

「まぁ、な」



一拍おいて、そうかー妹かーとへらへら笑うサッチ



「気が早ェよ」

「遅かれ早かれデショ?」





奪うのが仕事ですから







「そうと決まれば全速前進! ガンバッテらっしゃい!」

「くくっ、はいよ」


prev back next