「妹さんの服選びに付きおうてくれってちゃんと言うてくだはりまへんか」
「やるこた一緒だろうが」
ピンク色の紙袋を持って平然と歩いていく千弾はん。
逢い引き......と言うか単に荷物持ちさせとるみたいで物凄い嫌なんやけど、
「せめてその袋持たせてもろてええですか?」
「俺の用で付き合わせてんだからせめてこんくらいはな」
「こない格好ええお兄さんと並んどるだけで幸せやのにぃ......」
あくまで笑顔で持ち上げるけどこの人やり手や、うまくいかへん。男1人で店入るんが嫌なんは分かるけども、
頼むから持たして、人使うん嫌いやねん
「お医者の先生じゃねぇか! 隣の色男はコレかい?」
「そう見え「ちゃうちゃうこの人うちのお兄ちゃんやねん
似とりますやろ?」
「おーお兄さんかよ似てる似てる!」
荷物を持ってない腕を絡めて袖を見えないように抱き寄せる。視線刺さっとるけど堪えて。堪忍や。
「さぁお兄ちゃんまだまだ買い物付きおうてもらうよって覚悟しぃよー! ほんならおっちゃんまた今度!」
微笑ましいなぁとか言うおっちゃんに手ぇ振りながら自然にフェードアウト、人通りの少ない道に入って手を離す。萎えて去れば最高、生きとれば御の字。逃げ足には自信あるけど正直天下の白ひげの隊長さん相手に、しかも飛び道具使い相手に無傷で逃げ切れるかとか無理難題。ああ怖
「ほんまごめんなさいほなさいなr「まぁ待てって」
首根っこ引っ掴まれて逆戻り、あ、終わった。
「お買い物あるなら付き合ってやろうか妹よ」
「いやいやさっきのは方便やしうち別にほしいもんなんかなぁんもあらへんし千弾はん使うなんてそんなおこがま「さっきその方便に俺使ったのは誰だっけ?」
いたちごっこの有利不利
「さっきみたいに腕持ってもいいんだぜ?」
「ややわもう千弾はんのいけずー」
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そとっつらいいけどそれで墓穴掘るタイプの花ちゃん