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"ふるさと"の情報を元に、その夜私たちは張り込みを行った。

まず40代のサラリーマンの男性だったが、まだ白髪ではなかったし背は高かったがひょろひょろっとした人だった。
よって美恵さんの情報とは一致しなかった。

次に、犬の散歩をしていた50代の女性だがこの人はまず違うだろう。
白髪まじりだったが、背は高くなかった。少なくとも運動をしたりするようなアクティビディな女性ではなかった。
犬はゴールデンレトリーバーと大型犬だが、こちらも老犬なのかゆっくりした調子でお互い歩いていた。
第一に犬を連れながら歩いていれば気がつくだろうし、散歩をしながらつけるなどバレる可能性が高くなってしまうだろう。


その後も探したが、スーパーの袋を携えた主婦やこれから働きに行く女性や仕事帰りのサラリーマンが大半だった。


それから、"ふるさと"の老人たちも散歩に出たりしていた。


が、これらに特に怪しい点はなくその日は帰ったのだった。


・・・


次の日も、また張り込みを決め込んだ私たち。


ここ最近は怖くて仕事を休んでいたそうだが、その美恵さんに今日は協力してもらい、早速調査を開始した。


…10時過ぎ。


黒い服の男性が通り過ぎた。
思わず驚いたがよくよく見れば昨日のサラリーマン。


それから犬の散歩をする女性が通り、酔っ払ったサラリーマンがフラフラ歩いていった。


"ふるさと"の老人たちは今日は集団で散歩をしていた。
黒い服の老人も数人居て、なんと安西さんは高いであろう靴を履いていたがそれでもまだ30代、白髪は生えておらず犯人からは除外された。



「場所、変えた方がいいかしら…瑠々どう思う?」


「そうだね、収穫もないし…並浜鉄道沿いで調べてみる?」


「並浜鉄道沿いか…駅員さんにでも尋ねるのも手かもしれないわ」


「じゃあ、駅行く?」


「ええ」


・・・


「怪しい方ですか?」


駅員さんは少し疑うような顔で私たちを見ていたが、美恵さんにも来てもらい事情を掻い摘んで話せば話だしてくれた。


「怪しいといいますか…ビックリするくらい大きな荷物をかかえている方や刺青をいれている方はいらっしゃいますけど」


駅員さんの話には美恵さんと一致する人物はおらず、ここでも収穫は得られなかった。


「ありがとうございました」


そうお礼をし、また明日別の場所に行こうと菜々と話すのだった。


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