酩酊。

*意味のないエロス(?)

*仔ツナ×大人ヒバリさま

*短い、

*わけもわからない









酩酊。










こんなのって裏切りじゃない?



最初、くちびるを重ねた時はそう思ったのに。
次の瞬間には、そんな高尚な戸惑いはどっか行っちゃって、オレは自分より一回り大人な肢体に飛びついていたんだ。


ごめんなさい、オレのヒバリさん。
ごめんなさい、未来のオレ。




そもそも、シようってお誘いを笑って流したオレを一発殴って風紀財団の和室にオレを連れ込んだのは、十年後のヒバリさんだ。

「ヒバリさんがシたいっていう相手は、本当にはオレじゃないんじゃ、」
「うん。ちがう、きみは僕のきみとはちがうからね」

そう言ったのもヒバリさんなのに。

「うううっ」

無理矢理に呑まされた酒にきっと何か入っていたに違いない。

でないと説明がつかない。
オレの腕が足がグイグイとこのひとに巻き付いてしまう理由。

(そんなんさ、)
信じられない、ヒバリさん、まるで悪いひとみたいじゃないか。
(十年前のヒバリさんは絶対に一服盛ったりなんかしないよ!)

「イヤなら逃げ出してみれば」

逃げようとしたオレを進行方向とは逆向きに巴投げしたのは一体どこの誰だよ。
したたかに畳に打ちつけられ、グラグラしたあたまはオレが何者なのか、そんな初期設定すら忘れてしまった。


「ああ。久しぶり」

後頭部の髪をぐいと掴まれ、がら空きにされたオレの首筋を美味しそうに舐める舌。

「ひっぱんないで、あのっ…やめてください!」
必死に身を捻って彼の腕を捕まえたら、くつくつと楽しそうに笑う。

「懐かしい反応は…悪くないね」

ってことは、十年後のオレも結局この傍若無人なヒバリさんという存在に、レイプ同然に童貞を奪われたりしたの?

(くそ!)

一方的に喰らいつかれるなんて屈辱的だ。

片手を伸ばし、さっきの巴投げではだけた黒い着物を掻き分ける。
目的のものはすぐに見つかった。

「―――!!」

声もなく、ヒバリさんの表情が変わる。

(ぱんつ穿いてないとか!!)

怒りやら恥ずかしさで訳がわかんない。

「ようやく反撃かい?」
「もう知りません!」

あっつく濡れた腿のあいだにあったソレは硬く張り詰めていて、ちょっとイイ気味だ。
慣れない手つきのオレだけど、何となくヒバリさんの弱いトコはわかる。
何でだろ?


「っ、調子に乗るじゃないか、小動物」

素直に気持ちいいって言えばいいのに、言わないのが、このひとだ。
でも抵抗はされなかった。

「…性急、すぎでしょ、」

十年後のヒバリさんは真っ白い太ももを惜しげもなく左右に広げながら恥部をオレに預けている。

「ぁあああ……」

オレはひたすらにヒバリさんの性器を擦りあげていた。
余った片手で、重そうに張った双球を揉みこみ、一気に責め立てる。

ぶるぶると震えるヒバリさんの長い足。
畳に爪を立て、ヒバリさんはひたすら堪えているみたいだ。

(うわぁ…うわぁ!!!)

「……、っふ、」

今更、視線を恥ずかしそうに伏せるなんてムチャクチャだ。
長いまつげが静かに濡れていて、その目を見ていたら、やっぱりヒバリさんは十年経ってもヒバリさんなんだと知った。

「10コ以上も年下のオレにアソコいじくられて気持ちよさそうなんて、ヒバリさん、変です」

そう罵ったら、手の中で辱められてる雄の証がドクンと弾けた。

「ふゥ、うん……、」

小さな呻きをあげて、ヒバリさんは白いものを性器の先端から噴き上げる。
オレの手がどんどん彼の体液にまみれて。

ヒバリさんが腰を押し付けるように揺らす様を見せつけてくるから、オレは不覚にも達しそうな自分自身に気がついた。

まったく触ってないのに!

(あ゛……!?)







ズボンの中心があつい。

オレはパチリとまぶたをあげた。

「お目覚めかい?」
「……」
「きみ、なんの夢見てたの?」


本気で訳がわからなかった。

見慣れない天井。

(あ…ヒバリさんの和室)

寝転がったまま目をパチクリしたオレにヒバリさんは自分の口元を指先で覆ってみせた。
笑ってるんだ。

「ちょっと酒を呑ませただけでおねんねしたと思ったら、起き抜けにソレ?」

ヒバリさんの視線の先には、オレのみじめに膨らんだズボンの中心と、シミ。

「……、」

情けなくって、泣きべそをかいてしまいそうなオレをよそに、ヒバリさんはまだからだを揺らして笑ってる。

「最悪だ、もぅ」
「なにが」
「聞かないでください、オレってほんと…」

夢精とか。

ダメツナ。

ヒバリさんに連れ込まれて、酒を呑まされたあと、すぐにオレは夢の中の住人になっていたという訳なんだ。

なんだよこの茶番劇。




結局、裏切り者はオレひとりじゃないですか。

小声で愚痴ったら、地獄耳なヒバリさんはこう言った。

「僕という存在にきみが欲情しないなんて、ありえないだろう?夢の中だってね」






ヒバリさんは、十年経とうが経つまいが、オレを、よく分かっているらしい。



ちくしょ。







おわり


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まさかの夢オチ





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