またね!(ユーリ+カロル)

※カロル姉設定





『あれ?カロル!?』



ダングレストの広場でカロルの名を呼ぶ女に出会った。



「えっ何で…!?」

『いやーちょっと本部の方に用事があってさぁ!まさかカロルがダングレストに居るなんて思わなかった!』



「…カロル先生の知り合いか?」



「あ、うん、知り合いっていうか…」



初めてダンクレストに来た時には、ここでのカロルの知り合いにはロクな奴が居ないと思っていたが、そんなことも無かったようだ。



『あれっ?カロル。そちらの皆さんは?新しいギルドの?』


「うん!凛々の明星っていうんだ!」



それにカロルにしては随分ハキハキしているし、人の後ろに隠れようとする素振りは一切なかった。



『えっちょっと!それを早く言いなさいよ!』

「うわぁっ!」


すると女は慌てふためいた後にカロルの頭を鷲掴んで、ソレを下げると共に自分の頭も下げた。



―――オレ達に向かって。




『どうも!カロルの姉です。弟がお世話になってます!』





「…なんですって」

「カロルにお姉さんなんていたんです?」

「あら、礼儀正しい人なのね」



なんとも言えない間の空いた後にリタ、エステル、ジュディが順に反応した。

そんな中、おっさんだけが「あらまぁ」と意外な反応をする。



「おっさんは初対面じゃないのか?」

「ん〜?まあねぇ。
名無しちゃんってば少年のお姉さんだったのね」



『えっ今更!?私もカペルなんですけど』

「いや〜ただの偶然かと」

『んなまさか!』



っつーことは何だ。

カロルの姉ちゃんも何処かのギルドに所属してるってことか。



「お姉ちゃんはね、すごいんだよ!」

「どうしてあんたが誇らしげ?」

「ふふ、微笑ましいわね」



「そんなカロル先生だって凛々の明星の首領だろ?おまえも十分すごいだろ」

「うわぁっ、ユーリ!急に頭撫でないでよね…!」



カロルがオレから逃げるように離れて行った。

姉の前じゃ格好良くありたいってヤツか?



『本当!?すごいじゃない!へーそう、カロルが…』



すると本当に嬉しそうな表情を浮かべた。



恐らくこれまでカロルがギルドを転々としていたのを知っているからこそ嬉しいのだろう。



―――ひとりの姉として。






『頼りない弟だけど宜しく頼んでいいかしら?』



今度は姉の方がオレに近づいてくるかと思いきや、小声でそう呟いたのだ。



「何でそれをオレに言う?」

『んーなんとなく?』

「…なんか調子狂うな」


わかったよ、と返せばとびっきりの笑顔を見せたのだ。


まあ、なんだ。

笑うとカロルに似てなくもない、なんて思う。


「…けど、カロルもカロルなりに一生懸命やってるよ」


すると彼女は穏やかな笑顔で
ありがとう、
ともう一度小さく口を動かした。



「お姉ちゃん達…何の話してるの?」


自分の耳に届かない会話をするオレ達を怪しんだカロルは再度近付き、オレ達の間に入った。
「いや?お前の姉ちゃんは別嬪だなって話をだな」

『そうそう。お兄さんったら随分といい男でコロッといっちゃいそうになっちゃったー』



「ふーん…なんか…ユーリとお姉ちゃんって似てるね…」



『カロルがそう思うのならそうかもね?』

「ははっだな」



『…さて、そろそろ本部に行くとしますかね!』

「えっもう行っちゃうの?」

『うん!じゃカロルっ!頑張んなさいよ!』




こうしてカロルの姉ちゃんはギルドユニオン本部に向かって歩き出した。





「…カロルのお姉さんは、おいくつなんです?」

「えっと、9歳離れてるから…」



指折り数えるカロルよりも先にエステルが両手を合わせて嬉しそうに飛び上がった。



「! ではユーリと同い年ってことですね!」

「あ。本当だね」

「へー」


近いだろうと思ってはいたが、オレと同い年か。




「お…っお姉ちゃんは渡さないからね!?」





精一杯オレを睨むカロルを見て思わず目を見開いた。

カロルの新たな一面を垣間見たというか、姉ちゃんに相当依存している様だ。

そんな事を言われてしまうと悪戯心が疼くってモンで。




「カロル先生、嫉妬はよくないぜ」

「そうよ少年。いつかは名無しちゃんだってお嫁に行っちゃうんだから」

「さー次はいつ会えっかなー名無し、だっけ?」

「おっ青年好印象〜?」



「どうだかな」



「うそ……でしょ!?」



カロルの下がった肩から鞄がずり落ちた。




「シスコン」

「お姉ちゃんが大好きなんですね」

「親離れが出来ないんじゃなくて姉離れが出来ないのね。そんなカロルも嫌いじゃないわよ?」




っておいおい皆悪ノリし過ぎだろ。

そんなカロルはというと、下を向き、顔を真っ赤にさせて震えていた。




「みんなうるさ〜〜〜〜〜〜〜っっい!!!」




カロルの叫び声に気付いた名無しは、オレ達に向かってまた大きく手を振ったのだ。




(カロルを宜しく!凛々の明星頑張ってね!)

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カロルにお姉ちゃんと呼ばれたくてカッなって書いた(^q^)
後悔はしていない<●><●>むしろ興奮しているなう。

20120322.haruka

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