02.好きなんじゃなくて




さて困ったこの状況。

現在の状況としては、フレンに抱き締められていると思いきや、酒に酔ったフレンが私に倒れ込むようにもたれ掛かっているだけである。

こんなに幸せかつ気持ち良さそうな寝顔を見せられては起こすに起こせない。

本当ならお姫様抱っこでもして、ベッドにふわりと寝かせてあげるのが一番なんだろうけど、さすがに男性一人を抱っこ出来るようなそんな力はないわけで。

…カロルくらいなら出来るけどね!


『よっと…』


私に倒れ込むような状態のフレンをゆっくり前へ前へと身を捩って近くのソファーへと押しやる。

ソファに寝かせる時は突き飛ばすのも可哀想なのでフレンの後頭部をおさえてゆっくりと寝かせた。

今第三者がいたのなら、その目には私がフレンを押し倒しているようにも見えるだろう。

密着する身体。仕方ないとわかっていても顔が、近い。心なしか顔が熱い。


『無防備…』


女にこんな言葉言わせるなと思いつつ、これくらいはいいだろう。
迷惑料だ、と軽くフレンのおでこを指で弾くとフレンからは小さな声が漏れた。


『はぁ…疲れた…』


フレンから離れて立ち上がる。
近々確実に腕が筋肉痛になるだろう。


――好きだなんて。


あの時、確かにフレンの口から紡がれた言葉。

目を覚ましたら、きっと本人は覚えていないのだろう。

それがすごく悔しい。

私だけが知っている。


『…普段言わないくせに反則だよ』


幸せそうに眠るフレンに向かって私は呟いた。









(私は、愛してる)

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フレンなら担げます。鎧着てなければね!(^q^)

20120305.haruka

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