すこしは恥じらいをだな






「名無しちゃん!胸に飛び込んでおいで!」

『レイヴーン!』

「よし来た!」


レイヴンは、自分に向かって飛び付く名無しを受け止めた後、彼女を持ち上げたままクルクルと回る。

それを見ていたエステルは手を震わせながら言葉を発した。


「…ずるいです!」

「んー何ー?嬢ちゃんもして欲しいの?」

「そ、そうじゃなくて…わたしも…名無しと…その、ハグを…ですね!」

「嬢ちゃん…おっさんとは嫌がるのに…」

「それは…その…」

『ん?私と?いいよ!』


「本当です!?で、では、次回の戦闘終了後に…」


戦闘終了後なんだ、と笑いつつエステルの手を引きその場を後にした。


「……馬鹿っぽい」


その始終を見ていたリタは呆れた口調でそう言った。


――――
―――――
―――――――


場所変わり、再び現れた魔物に止めを刺した私はエステルとの約束を果たすべく大きく息を吸った。



『さぁ!私の胸に飛び込んでおいで!』


隣に居るであろうエステルに向かって両手を広げたが、そこには顔を真っ赤にするフレンが居た。



「な…ななな!」

『おっと、間違えた』

「まったく君は…!」








(ユーリ!君が一緒にいながら何故こんな…!)
(は!?オレ!?)


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すべての責任はユーリに有り。そんな思考を持つフレン。
赤面するフレンなんて見た日には私爆発するよ。

20120228.haruka

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