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「お客様、大変申し訳ございません。当アトラクションは、お客様に充分ご満足頂くために、1回の入場で6名様までしかご入場頂けません」

日和の提案でショッピングモールの中にあるお化け屋敷を訪れた俺ら四天宝寺のメンバーは、浴衣姿の係員にそう言われ、じゃんけんで2つのグループに分かれることになった。

結果は、
先発=俺、日和、小春先輩、ユウジ先輩、謙也さん、師範。
後発=部長、ひな先輩、遠山、千歳先輩、副部長。

「ちゅうわけで、ほな謙也いってらっしゃい」
「ちょ、白石!お、押すなやっ!」

心の準備が、とかなんとか言ってる謙也さんを、白石部長が、それはもうSっ気たっぷりの笑顔で扉の向こうに追いやる。

「だーいじょうぶやって。心の準備なんてそないなもん、入ってしもたら勝手に整うわ」
「や、ちょ、それムリ……ってっ、のわっ!」

あくまで抵抗しようとする謙也さんの肩を、部長が思いっきし突き飛ばしたため、謙也さんは呆気なく扉の向こうへ吸い込まれていった。

「謙也さん、ごしゅーしょーさまです」

扉に向かって合掌していると、閉まったはずの入口がもう一度開く。

「って、財前!お前らも先発やろがっ!はよ来ぃや!」
「へいへい」

半泣きの謙也さんに促されて、先発組が全員扉をくぐった。





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