『さぁー、全員ちゃんと昼飯食うたかぁーっ!?』

マイクを響き渡るんはオサムちゃんのデカい声。
キーンと嫌な音を立てる放送機器に全員耳を塞ぐも、「おーっ!!」とオサムちゃんの問いかけにきちんと答えるあたり、ノリのいい四天宝寺生や。

『ほな、午後からも元気よく体育祭ノってくでーっ!』
「「おーっ!!!!」」
『午後イチの種目は借り物競争や!出場者は急いで入場ゲートに集合してやー!』


***


『この借り物競争も、午前最後の障害物競争に引き続き人気のレースや!』
『ルールは至って簡単!コース中間地点にあるクジを引いて、そこに書いてあったモノやヒトと一緒にゴールするだけや!』
『ただし、フツーの借り物競争とは違ってただゴールするだけやアカンで!ゴールテープを切った後、クジにあった指令をクリアしてはじめてゴールしたとみなされるんや!』
『指令とは?』
『例えば、○○を使ってボケよとか笑いに関する指令が中心や!』
『さっすが四天宝寺、こんな時でも笑いの鍛錬はかかさへんっちゅうことですね!』
『せや!因みに指令を見事クリアできたら、ムアンギ校長がボーナスポイントを与えてくれるで!』

この時、入場ゲートの前でただ笑いながら競技解説を聞いてとった俺は、この競技が俺の運命を変えてしまうくらい重要なもんやなんて1ミリも気づいてへんかった。




-12-


[ | ]

back

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -