『位置について、よーい』
ぱぁんっ!
『空砲と同時に飛び出した第一走者!彼らの前に立ちはだかるのは……、バランス玉運び!』
放送でトラップ内容が場内に伝えられると、会場内の女子からブーイングが上がる。。
『第一走者・白石君のコスプレを期待していた女性陣は落胆しとるようですね』
対する蔵はというと、コスプレトラップでなかったことに安心したのか、スタートする前に背中に背負っていた重苦しい空気が薄れている。
『しかし初っ端から難易度たっかいトラップですねー』
『この競技はお玉でピンポン玉を掬い、高さ50p、距離5mの平均台の上を進まなければなりませんバランス感覚が重要な競技です!』
「要するに体の重心がぶれんようにして、指先にも神経使わなあかんちゅうことやな」
『平均台の上に最初にたったのは、女性陣のブーイングの原因、紅組・白石蔵ノ介!』
『さすが聖書!すたすたと優雅に、そして確実に前へ進んで行くー!』
蔵のコスプレが拝めなくて落胆していた会場内の女の子たちも、蔵の活躍に再び黄色い声を上げている。
『続く白組は、おぉっと、ピンポン玉が落ちてしまったようです!』
『このようにピンポン玉を落としてしまったり、平均台から落ちた場合はトラップのスタート地点からやり直さなければなりません!』
『多くの選手が苦戦する中、ノーミスであっさり通過したんが白石君!彼女の五十鈴川さんへとバトンを繋ぎます!』
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