「もしも、」
『謙也っ、どういうことなんっ!』

机の上で震えとったケータイを手にして、通話ボタンを押せば、受話器を耳に当てんでも響く、暁の声。

『白石が、煙が、ボンって、それでにゃんのすけがっ、』
「ちょ、暁、とりあえず落ち着け、」
『んなこと言うたってっ、』

支離滅裂で要領を得ん暁の言葉。
しかし、厭な予感がした。

「ええから、息を大きく吸ってー、はい、吐いてー。ほなどうぞ」
『白石がにゃんのすけになったんや!』
「なんやてっ!?」

外を見れば、既に真っ暗。

アイツ、時間忘れとったんか……!

焦る気持ちを抑えて、どういうことなん、と混乱を隠しきれん暁に、俺は全ての経緯を話した。

「っちゅうわけや、頼む暁、何としてもにゃんのすけ……、もとい、白石を探してくれ。俺もすぐ応援呼んで手伝うから」
『お、おん』

俄かに信じ難いっちゅう雰囲気を滲ませた声で頷いた暁との通話を終えると、事情を知ってるやつらに、片っ端から電話をかけた。





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