あの後、暁は木崎に連れ戻され、かなりの猛特訓を強いられるも、結局最後のシーンは上手くいかへんかった。
それにブチギレた木崎が、暁と白石だけを残して、最終下校時刻まで練習させるって意気込んどったんやけど……。

「それでもあかんかったみたいやな」

窓の外に、とぼとぼと、ひとり肩を落として帰ってきた暁を見つけて、溜息を吐く。

まぁ、しゃーないか。
暁にとって、白石の告白は余程想定外の出来事やったんやろうし。

それに、あいつ他人の恋愛をサポートするんは上手いけど、自分のことはからきしやしな。

それに気づいたんは、暁を泣かせてしもてからやったけど。

奏に告るとき、無遠慮にも暁に相談に乗って貰た。
アイツの気持ちなんて微塵も知らんまま。

せやから、今度は。

「俺が、サポートしたらな、な」

疲れた様子で俺んちの前を通り過ぎようとしとった暁に、窓から声を掛けた。





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