朝目を覚ますと、やっぱり腫れぼったい瞼。

2日続けて泣き寝入りするなんてな。

心中で自嘲するけど、何でやろ。
心なしか、一昨日よりは気分が軽い。

冷水で顔を洗って、ちょっとだけメイクして泣いた痕を誤魔化す。

「いってきまーす」

いつもの時間に家を出れば、昨日に続いて謙也と顔を合わせた。

「暁、おはよーさん」
「おはよ。謙也たちは今日も朝練休みなん?」
「学祭近いからな、そっちの準備に駆り出されるやつらが多くて、練習にならんねん」
「ふうん」

昨日・一昨日のことなんてまるでなかったように、何でもない日常会話が進む。

……大丈夫や。
まだ胸はチクチクと痛むけど。
それでも、もう暫く時間が経てば、ちゃんと謙也の幼馴染になれる気がした。

そう。この時のウチは謙也とのことで頭が一杯やった。
せやからすっかり忘れてたんや。


昨日の昼間にあった出来事を。





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