「嘘やろ……」

顔を真っ赤にして、泣きながら教室を飛び出した幼馴染。

『ウチやって、ずっと前からっ、謙也のことがっ、好きなんやもんっ!!』

嗚咽交じりの告白。

強気な彼女が泣いとる場面なんて、ほとんどお目にかかったことがない。

「全然、気ぃついてへんかった……」

知らへんかった、ではすまされんくらい、彼女にデリカシーのない言葉を投げつけた。

物心がついたころから一緒におって。
誰よりも長く、誰よりも近くで過ごしてきたんに。

「俺、アホやろ……」

言いようのない後悔の念が襲う。

暁を引き留めそこねた扉に背を預けて、ずるずると座り込んだ。





-31-

[]

back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -