「……本当は俺、前から一夏さんの事知っとったんです。今日…此処で会う前から」

そう、俺は彼女を知っとった。
知っとって声をかけた。いや、知っとるから声をかけた。

それがまさか泣いとるとは思わへんかった。


俺が彼女を知ったんは、書く事と同時に日課になったブログ巡りをしとった時。偶然彼女がやっとるブログを見付けた。
内容は在り来りな自分の日常の事。でもその中で一つ興味を引かれる日記があった。


『大好きな映画。急に観たくなって、仕事帰りに借りてきました。ちょっとマイナー映画なんだけど知ってる人居るかな……?
因みに私の周りには一人も居なかった。
面白いのになぁ』


うわ珍しい奴やな。てゆかこれ俺と同じやん。

それが第一印象。日記の内容が、まるで自分を見ている様やった。

彼女が話しとった映画は俺も好きなやつで、そしてやっぱり俺の周りでもこの映画を知っとる奴はおらんかった。
やから最初は物好きも居るもんや言う驚きのが強かった。

でも好きな気持ちを誰かと共有出来るんは何や嬉しい事で、彼女に親近感を覚えた俺は、気がつけば日記にコメントを残しとった。


嬉々としたコメントが彼女から返ってきたのは、翌日のこと。




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